SGの魅力とその歴史 ~ 現行モデルカタログ

SGは、軽量で扱いやすいデザインと、パワフルなサウンドで人気のギターです。本記事では、その特徴や魅力、歴史、そして現行モデルについて詳しく紹介しています。
SGの特徴と魅力
SGは、レスポールのモデルチェンジ版として1961年に登場しました。デザインが大きく変更され、当時人気のあったフェンダーのストラトキャスターの影響からか、シングルカッタウェイからダブル・カッタウェイになり、ハイポジションでの演奏性が向上しました。
ボディ材もメイプルトップ/マホガニーバックから、マホガニーに変更され、ロックに最適な中域を強調したサウンドに変化します。
AC/DC – Back In Black (Official 4K Video):
SGの個性
SGのボディーは非常に薄く、軽量なので、同じピックアップを搭載したレスポールと比べると低域/高域共に不足しがちですが、ブーミーさがない分扱いやすく、またレスポールとストラトの中間のようなサウンドは非常に使い勝手の良いギターだと思います。
スライドギター(ボトルネック)との相性もよく、デュアン・オールマンやゲイリー・ロッシントン(Lynyrd Skynyrd)、デレク・トラックスなどブルース~サザンロックのギタリストにも愛用されています。
Lynyrd Skynyrd – Freebird – 7/2/1977 – Oakland Coliseum Stadium:
SGのコントロール
SGはレスポールと同じ、2ボリューム/2トーンで構成されていて、より多彩な音が出せるのが特徴です。また、ピックアップセレクターはフェンダーのストラトキャスターを意識してか、ボリュームポットに近く配置され、演奏中のピックアップの切り替えがスムーズになり、プレイアビリティが向上しています。
SGを使用する主な使用ギタリスト
SGは1961年に登場し、ロックの進化と共に歩んで来たギターです。特に、レスポールの後継モデルとして、多くのギタリストに愛用され続けています。以下、SGを使用した主なギタリストをご紹介します。
クラシックロック系:
- エリック・クラプトン(Cream) – Cream期にSGを使用し、トーンを絞ったウーマントーンで魅力的なサウンドを作り上げました。
- ジョージ・ハリスン(The Beatles) – ビートルズの中期から後期にかけてSGを愛用しました。
- ミック・テイラー(The Rolling Stones) – スライドギターと繊細なソロで70年代初期のストーンズを支えました。
- ピート・タウンゼント(The Who) – エネルギッシュなパフォーマンスには軽量なSGがあっていたのかもしれません。
- ジミー・マカロック(Wings) – ポール・マッカトニーのバンド「Wings」でメロディアスなサウンドを奏でました。
- フランク・ザッパ(Frank Zappa) – 前衛的なロックでSGを駆使。
- フランク・マリノ(Mahogany Rush) – SGでシンプルでダイナミックなブルースロックをプレイ。
ロック / ハードロック系:
- アンガス・ヤング(AC/DC) – 力強いリフとソロで、SGをロックアイコン化した功労者。
- トニー・アイオミ(BLACK SABBATH) – SGの重厚なサウンドで、ヘヴィメタルの金字塔を築きました。
- グレン・ティプトン(Judas Priest) – メタルサウンドにSGの鋭いトーンを活かしました。
- 和嶋慎治(人間椅子) – 日本のロックシーンでSGの魅力を知らしめた功労者。
ブルース / サザンロック系:
- ディッキー・ベッツ(The Allman Brothers Band) – 1961年製SGを愛用。後にデュアン・オールマンに譲ります。
- デュアン・オールマン(The Allman Brothers Band) – ベッツから譲られたSGを主にスライドプレーで使用します。
- ゲイリー・ロッシントン(Lynyrd Skynyrd)– Free Birdにおけるスライドプレーは必見!
- デレク・トラックス – デュアン・オールマンの再来と言われるSGを使ったスライドギターは見事です。
モダンロック / ブルースロック系:
- ゲイリー・クラークJr – 現代ブルースとロックを融合させるギタリスト。
SGモデルの変遷
1961~1963年
レスポールのモデルチェンジ版として1961年に発売されたSGは、当時はSGというモデル名ではなく、そのままレスポールという名称でした。
SG スモールピックガード・モデル
トラスロッドカバーにもLes paulと刻印されていました。
リイシューモデルの多くはストップテールピース仕様ですが、オリジナルのSGは「スウィング・アウェイ・プル・サイドウェイ・トレモロ」が標準搭載されていました。
主なプレーヤー:
- デュアン・オールマン ( 61年製 )
- 和田唱 ( 61年製 )
- ゲイリー・クラークJr ( 61 SG Reissue )
1964~1967年
ギブソンとギタリストのレスポールとの契約解消により名称をSG(Solid Guitar)に変更。Solid Guitar(ソリッドギター)とは空洞のないギターのこと。
トラスロッドカバーは無地になり、トレモロは重厚なスウィング・アウェイ・プル・サイドウェイ・トレモロから通称 板バネ と呼ばれる「マエストロ・ヴァイブローラー(写真)」に変更されます。
主なプレーヤー:
- エリック・クラプトン ( 64年製 )
- ジョージ・ハリスン ( The beatles ) ( 64年製 )
- トニー・アイオミ ( Black Sabbath ) (65年製SGスペシャル)
1967~1969年
ピックガードがスモールからラージタイプにチェンジし、それに伴いピックアップもエスカッションマウントから、ピックガードマウントに変更されます。
SG ラージピックガード・モデル
主なプレーヤー:
- アンガス・ヤング ( 68年製 )
- ピート・タウンゼント ( 67年製SGスペシャル )
GIBSON SG 現行モデルカタログ
GIBSON SGの現行モデルをまとめてみました。各モデルには動画のリンクを貼っていますので、気になるモデルがあればサウンドを聴いてみてください。
SG Standard
SG Standardは、60年代のSGの前期モデルと後期モデルに別れます。
SG Standard ’61(スモールピックガード):
SG Standard ’61は、1960年代前半のスモールピックガード仕様を再現したモデルです。
SG Standard ’61には、ストップテールピース仕様とともに、オリジナルSG仕様である「スウィング・アウェイ・プル・サイドウェイ・トレモロ」と、Maestro Vibrola(マエストロ・ヴァイブローラー)搭載の3つのモデルがラインナップされています。
※Maestro Vibrolaは厳密に言うと64年モデルです。
SG Standard(ラージピックガード仕様):
SG Standardは、1960年代後半にマイナーチェンジされた、ストラトキャスターのようなラージピックガードが特徴のSGです。
この時期のSGは、ピックアップがエスカッションマウントからピックガードマウントに代わったために、空気感のあるふくよかなサウンドが特徴です。
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Gibson SG Standard – YouTube (動画)
Gibson SG Standard ’61 VS Gibson SG Standard:
SG Special
SG Specialは、P90ピックアップが2基搭載されたギターです。歯切れの良さが特徴で、ハムバッキングの載ったSGよりもこちらのほうが好きという方も多いです。
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GIBSON SG Special – YouTube (動画)
Gibson SG Special Ebony デモ:
SG Junior
SG Juniorは、ジュニアモデル(ビギナー向け)としてリリースされた1ピックアップのシンプルなギターです。飾らないストレートなロックにピッタリで、ジェイク・E・リーなどハードロックなギタリストにも愛用されています。
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GIBSON SG Junior – YouTube (動画)
No Talking…Just Tones | Gibson SG Junior – Vintage Cherry:
Custom Shop SG
Custom Shop製SGは、ギブソンの通常生産モデルとは一線を画す、特別なカスタム仕様で製造された高級なギターシリーズです。厳選された素材と高度なクラフトマンシップを駆使して製作されるため、非常に高い品質を誇ります。
当時のSGをそのまま再現したVOS (ヴィンテージオリジナルスペック )や、塗装の風化を再現したエイジドフィニッシュ(Aged)などがラインナップされています。
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GIBSON CUSTOM SHOP SG – YouTube (動画)
GIBSON CUSTOM SHOP SG CUSTOM EBONY X WALT GRACE VINTAGE:
EPIPHONE
ギブソンのセカンド・ブランドであるエピフォンは、初心者の方にもお買い求めやすい価格帯が魅力ですが、近年のモデルはギブソンに負けない完成度を誇ります。
SG Custom
※2024年よりUSAナッシュビルにあるGibson Custom Shopとのコラボレーションによって製作されるシリーズ ”Epiphone Inspired by Gibson Custom Collection" が登場しました。
”Epiphone Inspired by Gibson Custom Collection" は、従来のエピフォンのヘッドストックではなく、ギブソンと同じヘッド形状である"Open Book" Headstockが採用されているところも大きな特徴です。
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EPIPHONE SG Custom – YouTube (動画)
TONE CHECK: Epiphone 1963 Les Paul SG Custom Maestro Vibrola Demo:
SG Special P-90
SG Special P-90は、P90ピックアップ搭載のギブソンSGスペシャルを再現したモデルです。
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EPIPHONE SG Special P-90 – YouTube (動画)
Epiphone SG Special P-90 Sparkling Burgundy:
SG Standard
SG Standardは、ギブソン同様、60年代後期のラージピックガードのSGを再現したモデルです。
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EPIPHONE SG Standard – YouTube (動画)
TONE CHECK: Epiphone SG Standard Electric Guitar Demo:
SG Standard 60s
SG Standard 60sは、60年代初頭のSGモデルを再現したモデルです。ストップテールピース仕様とMaestro Vibrola仕様がラインナップされています。
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EPIPHONE SG Standard 60s – YouTube (動画)
Epiphone SG Standard ’61 Maestro Vibrola Vintage Cherry:
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