ジェイムス・ギャングやディープ・パープルで活躍した Tommy Bolin(トミー・ボーリン)が実際に使用していた機材を元に、彼の音を忠実に再現できるおすすめのギター、アンプ、エフェクター、アクセサリー等を詳しく紹介しています。

音作り
トミー・ボーリンの音作りで最も重要なのは、ストラトキャスターのセンターピックアップを使うこと。センターピックアップを使うことでファズを使用しているにも関わらず柔らかなオーバードライブのようなサウンドを得ることができます。
ギターはメイプル指板、アルダーボディの50年代後半のストラトキャスターなら完璧です!

ファズの使い方
トミー愛用のファズはSam Ash製Fuzzz Boxxが有名ですが、(ファズ全般にも言えることですが)トミー・ボーリンのような柔らかなファズサウンドを得るためにはアンプはクリーンではなくクランチ程度にセットするのがポイントです。

クリーンなアンプしか用意できない場合は、後ろにチューブスクリーマーなどローゲインなオーバードライブをかけ軽く歪ませた上でファズをかけると、柔らかでありながらもオーバードライブ単体では得ることの出来ないエッジの効いた魅力的なサウンドが得られるようになります。
また、ファズはギターのボリュームを絞ることで、ファズ→ディストーション→艷やかなクランチ~クリーンという感じで音が変化しますので、ファズを使用する場合はON/OFFするのではなく、ギターのボリュームで歪みのコントロールするようにしてみましょう。
Sam Ash製Fuzzz Boxx
Sam Ash Fuzzz Boxxとは、ニューヨークの楽器店Sam Ashがトミーのために制作したファズです。
このファズは、中音域が強めで、低域成分の少ないサウンドが特徴ですが、トミーはギターもしくはアンプのトーンを絞って使用していると、インタビューで語っています。
ディープ・パープルのアルバムCome Taste The Bandの音はまさにSam Ash Fuzzz Boxxの音そのものです。
それ以外では、Hartman ( ハートマン )の Tommy Bolin Fuzzもおすすめです。こちらもすでに廃盤ですが、トミー・ボーリンの名の通り、Sam Ash Fuzzz Boxxにかなり近いサウンドを出すことが可能です。
テープエコー(ディレイ)
トミー愛用のディレイペダルは、Maestro(マエストロ)エコープレックスというテープエコーですが、トミーはディレイによる”発振”を多用するので、アナログタイプのエコーが良いでしょう。

発振(Self oscillating)
発振(Self oscillating・セルフオシレーション)とは、ディレイのフィードバック(リピート回数)を長めにして、ディレイをかけた状態でディレイタイムツマミを回すことでシュワシュワと音が鳴りっぱなしの状態になること。
Boss DM-2 Self Oscillation:
テープエコーやアナログディレイ特有の技ですが、最近はデジタルでも再現可能なものもあります。
Deep Purple Comin’ Homeや、James GangのStanding In The Rain のイントロが有名です。
Comin’ Home:
Standing in the Rain:
発振のテクニックを使うために、エコーを台の上に置くのがトミー・ボーリン流です!

近年ではフットスイッチを踏むだけで発振状態を作り出せるディレイも多数発売されています。
このページでは、トミー・ボーリンサウンドを再現するためのギター、アンプ、エフェクターなどの機材を紹介しています。
ギター
FENDER Stratocaster
50s Stratocaster:

トミー・ボーリンがメインで愛用するのはアルダーボディ+メイプル1ピースネックのストラトキャスターです。
ナチュラルフィニッシュでテレキャスターのネックが付いた50年代中期と思われるギターと、3トーンサンバーストの58年製のストラトを愛用しています。
※ストラトキャスターのカラーは1957年までは2トーンですが、1958年から赤の入った3トーンサンバーストになります。1959年になるとローズ指板になるので、3トーンカラーでメイプル指板のストラトキャスターはとても貴重です。
ゴツゴツ、シャリシャリのローズ指板の60年代のストラトキャスターよりは、メイプルネックのストラトキャスターのほうがトミー・ボーリン・サウンドを再現しやすいでしょう。
ピックアップはもちろんセンター(ミドル)で。


GIBSON Les Paul Standard

ストラトほど使用頻度は高くなかったようですが、トミー・ボーリンは星条旗カラーのピックガードと、ビグスビートレモロ(B5)搭載のレスポール・スタンダード(1960年製)も愛用していました。

以下は1970年のFilmore Eastでのライブ映像ですが、星条旗カラーのピックガードはそのままに、ビグスビートレモロがまだ未搭載という貴重な映像です。

背後にはフェンダーアンプ(シルバーフェイス?)が見えますね。

現在はジョー・ボナマッサが所有しているようです。

GIBSON Les Paul Gold Top

ゼファー時代はP90ピックアップ(シングルコイル)が搭載されたレスポール・ゴールドトップも愛用していました。
以下の写真は同じP90の載ったレスポールですが、ヘッドのクラウンインレイから1968年初頭に少量生産された再生産モデルだということが分かります。


Gibson 1968 Les Paul Standard Goldtop Reissue

アンプ
トミー・ボーリンが愛用するアンプは時代により変わりますが、ゼファー期のメインアンプはシルバーフェイスのフェンダー・ツインリバーブ(ブラックフェイスにも見えなくもない?)。

その後の加入するジェイムス・ギャングではマーシャルのスタック、ディープ・パープルではHIWATTアンプを使用します。
FENDER 68 Custom Twin Reverb ( 85W )

68 Customシリーズは、名前の通りフェンダーのシルバーフェイス期のアンプがカスタマイズされ発売されたものです。
入力は従来のノーマル/ビブラートではなく、「Vintage」と「Custom」という2つの入力(チャンネル)に変更され、Vintageチャンネルは、従来のシルバーフェイスサウンドを再現しており、艷やかなクリーンが特徴。一方、Customチャンネルは、1959年製のBassmanのトーンを模した入力になっており、より荒いツイードトーンが出せるようにカスタマイズされています。

68 Custom Twin Reverbは、出力 85W のフェンダーのラインナップの中では最も大きなモデルです。
スピーカーにセレッション製スピーカーを搭載することで、よりロックテイストの濃いアンプに仕上がっています。
Spec;
- スピーカー:
2×12″( Celestion G12V-70) - 真空管:
4×12AX7, 2×12AT7、4×6L6 - サイズ・重量:
664×504×21.9mm、29 kg
FENDER 68 Deluxe Reverb ( 22W )

68 Deluxe Reverbは、シルバーフェイスの22W仕様のアンプです。
こちらのモデルも、オリジナルモデルにはない、「Vintage」と「Custom」という2つの入力(チャンネル)に変更されています。

68 Deluxe Reverbは、出力22Wと、ツインよりも出力が低いため扱いやすいと思います。
Spec;
- スピーカー:
1×12″(Celestion G12V-70) - 真空管:
4×12AX7, 2×12AT7、2×6V6 - サイズ・重量:
622×445×241mm、19.05 kg

MARSHALL SV20 ( 20W / 5W )


お手頃サイズの1959をお探しならこのSV20(Studio Vintage)がおすすめです。
SV20は、MARSHALL 1959SLPを元に開発された出力20W(5W切り替え可能)のモデルで、オリジナル1959同様の4インプット仕様で、マスターボリュームは未搭載ですが、5Wモードもあるので100Wの1959よりは歪みが得やすくおすすめです。

リアパネルにはエフェクトループ、DIアウト、スピーカーアウトが搭載され、さまざまな環境で柔軟に使用できます。

コンボとヘッドがラインナップされています。
Spec;
- スピーカー:
1×10″ Celestion V-Type(コンボのみ) - インピーダンス:
5 (1×16Ω、2×8Ω、2×4Ω) - 真空管:
3×ECC83(12AX7) / 2×EL34 - サイズ・重量:
500×460×245、15.85kg(コンボ)
500×240×230、9.25kg(ヘッド)


エフェクター
Hartman Tommy Bolin Fuzz

Hartman Tommy Bolin Fuzzは、トミー愛用のSam Ash製Fuzzz Boxxを再現したペダルです。

アンプはクランチで軽く歪ませた状態で使うのがポイントで、ペダルの設定はトーン以外はフルアップ。
音量と歪みの調整はギターのボリュームで行います。
中高域のつぶれ方はまさにCome Taste the Bandの音で、またギターのボリュームを絞ることでGettin’ Tighterのカリンカリンな音も再現可能です。
HARTMAN ELECTRONICS TOMMY BOLIN FUZZ.MOV:

JIM DUNLOP Fuzz Face

Fuzz Faceは、Sam Ash製Fuzzz Boxx以前のメインの歪みです(Zephyr時代やJames Gangの「Standing in the Rain」等で愛用してまいす)。
ディープパープル時代の歪みに比べブーミーなサウンドが特徴ですが、こちらもアンプの設定とギターのボリューム次第で色々な音を出すことができますです。
おすすめはACアダプターに対応した、小さくなったファズフェイス・ミニです。
Fuzz Face Mini
- FFM1 Fuzz Face Mini Silicon(青):
FFM1は1970年代のシリコントランジスタを使用したFuzz FaceのMINI版。ブライトでアグレッシブなサウンド。

- FFM2 Fuzz Face Mini Germanium(赤):
1968-69年代のゲルマニウムトランジスタを使用したFuzz FaceのMINI版。わずかにミスマッチな特性のトランジスタの組み合わせによるウォームなサウンドが特徴。

- FFM3 Fuzz Face Mini Hendrix(水色):
FFM3はJHF1 Hendrix Fuzz Faceと同じ回路を使用したFuzz FaceのMINI版。太くてスムースなFuzzサウンドが特徴。

- FFM4 JOE BONAMASSA FUZZ FACE MINI DISTORTION(黒):
Joe Bonamassaのハムバッカーギターにフィットするように設計されたファズフェイス。厳選したゲルマニウムトランジスタを使用。

- FFM6 Band of Gypsys Fuzz Face Mini(赤/白ノブ):
ジミ・ヘンドリックスの最も有名なライブパフォーマンスで聴ける攻撃的で噛みつくようなファズトーンを再現したモデル。


MXR Phase90

トミー・ボーリンのプレイには欠かせないフェイザー。本人が愛用していたのはMXRではなく特注品もしくは本物のレスリースピーカー(ロータリースピーカー)とのことですがMXRのフェイザーで十分代用可能です。
Got No Time for Trouble · James Gang:
MXRのフェイザーは、代表的機種であるPHASE90の他、70年代のものを再現した’74 Vintage Phase90やヴァン・ヘイレン・シグネチャーなどが豊富にラインナップされています。
MXR Phase 90:

JIM DUNLOP EP103 Echoplex Delay

JIM DUNLOP EP103 Echoplex Delayは、トミー・ボーリンも愛用したテープエコーの名機「Maestro Echoplex EP-3」のサウンドを再現したディレイペダルです。

テープエコーは現在主流のデジタルディレイと比べると柔らかなサウンドで、またテープエコーのプリアンプはつなぐだけで音が太くなると言われ、当時のギタリストの多くが愛用していました。
JIM DUNLOP EP103 Echoplex Delayは、ディレイ(タイムを設定)、サステイン(リピート回数を設定)、ボリューム(エフェクト・レベルを調整)に加え、テープエコー独特のテープ・サチュレーション(歪み)がアップする AGEモードを搭載したテープエコーのサウンドをリアルに再現した定番モデルです。
ディレイタイムは65~750msですが、外部タップテンポ・スイッチを接続することにより、最大4000msのディレイタイムを実現します。プリアンプ部は再現されていませんので、下記「Echoplex Preamp」と組み合わせればEchoplex EP-3の完成です。
Zephyr with Tommy Bolin – Cross the River and St. James Infirmary!:
トミーがエコープレックスを台の上において使っているのが確認できます。足元のフットスイッチでエコーのON/OFF、最後には発振もさせています。
Dunlop EP103 Echoplex Delay Pedal Demo:
JIM DUNLOP Echoplex Preamp

Echoplex Preampは、MaestroのEchoplex EP-3のプリアンプ部を再現したブースターです。Echoplexはエコー機能のほか、繋ぐだけで音が太くなるというブースター/プリアンプとしても評価が高く、多くのギタリストに愛用されていました。
Echoplex Preampは、FETを使用したMaestro Echoplex EP-3のオリジナル回路レイアウトをそのまま再現し、ゲインを最大+11dBまでアップさせることが出来ます。
エコー機能はありませんが、上記EP103 Echoplex Delayと組み合わせれば「Maestro Echoplex EP-3(エコープレックス) 」の完成です。

テープエコーを操作するトミー・ボーリン


BOSS RE-202 Space Echo

BOSS / RE-202 Space Echoは、ローランドの名機RE-201 スペースエコーのサウンドを再現したテープエコー系ペダルです。

トミー・ボーリンはエコープレックスでRE-201は使用していませんでしたが、このRE-202にはペダルを踏み続けることで、発振状態をつくり出すツイストモードがありますのでトミーのプレーを再現するには良いかもしれません。
コンパクトサイズのSpace Echo RE-2にもツイストモードが搭載されています。

BOSS RE-202 Space Echo:

アクセサリー
ギターピック・JIM DUNLOP HERCO FLEX50

トミー・ボーリン・サウンドの要であるHERCO FLEX50(ヘルコ)ピック。ややスリ減ったときのカリカリとしたトーンは一度体験すると手放せません。
FLEX50は、厚みがあってThinに近い柔らかさが特徴のピックで、トミーはピックの先端を丸くカットして使用していました。
写真はトミーを真似てカットしたピック(下2枚はオリジナル)。
1960年代の型から再現したこだわりのピック Vintage 66 Nylon Picksでも良いでしょう。


弦・ERNIEBALL EXTRA SLINKY

トミー愛用の弦はアーニーボールのエクストラ・スリンキー(008、011、014、022、030、038)。
柔らかい弦を柔らかいピックでガシガシ弾く、これがファズを使っていながら、柔らかなトーンを出すトミー・ボーリン・サウンドの秘密なのかもしれませんね。

スライドバー/ボトルネック

トミー奏法で欠かせないのがスライド(ボトルネック)奏法。スライドバーは材質により音質が異なりますが、youtubeをみると金属製のものを使っているようです。
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