シンクロナイズド・トレモロのノンフローティング設定

クラプトンモデルのストラトキャスターをノンフローティングに再調整

2019年5月21日調整,ストラトキャスター,シンクロナイズドトレモロ

ストラトキャスターのシンクロナイズドトレモロをノンフローティング設定にしてみました。

ノンフローティング設定とはトレモロユニット後方を浮かせない、いわゆるベタ付け設定のことです。

Crews Maniac Soundが作ったエリック・クラプトン・モデル SEC


トレモロユニットのノンフローティング設定

改造しまくりで、もはやエリック・クラプトン・モデルとは呼べない代物なのですが、エリック・クラプトンのストラトキャスターといえばノンフローティングなので真似してみました。

シンクロナイズドトレモロで一般的なのはフローティング設定。

フローティングとは、チューニングが合った状態でトレモロユニットの後方が浮いている状態のことを言います。

シンクロナイズドトレモロのフローティング設定

フローティングさせると弦の張力でトレモロユニットのバランスを取るのでアームを使ってもチューニングが安定しやすいのが特徴ですが、チョーキング時に他の弦の音も下がってしまいますし、弦が切れるとチューニングが一気に狂ってしまうというデメリットもあります。

手持ちのストラトキャスターのほとんどはフローティング設定なので、ノンフローティングのものがあっても良いでしょう。

ということでやってみました。

やり方は簡単、ボディー裏のスプリングアンカーを締め込むだけ。

シンクロナイズドトレモロのスプリングアンカー

フローティング→ノンフローティングにするとブリッジの位置が変わるので、オクターブ調整と、弦高のチェックもしたほうが良いでしょう。

簡単なエレキギターの調整

調整完了です。

シンクロナイズドトレモロのノンフローティング設定


トレモロユニットはフローティングがよいのか、ノンフローティングが良いのか

トレモロユニットの設定で一般的なのはフローティング設定です。

フローティングは弦の張力でトレモロユニットのバランスを取るのでアームを使ってもチューニングが安定するというのが最も大きな理由でしょう。

しかしフローティング設定は、弦の張力でバランスを取っているが故に、弦が1本切れるとチューニングが一気に狂ってしまうというデメリットもあります。

またフローティング設定はブリッジミュート時に強く押さえすぎると音がシャープしてしまったり、軽量なトレモロユニット場合、強く弦を弾くとユニット自体が振動し、音が震えてピッチが安定しなかったりすることもあります(トレモロスプリングの本数によっても変わります)。

もちろん良い点もたくさんあって、第一はアームアップが出来ることでしょう。

例えばある単音を弾いて、ビブラートやチョーキングをする場面でも、アームアップで代用できますし、アームをダウンする方向のみで音を揺らすよりも、アームアップの方向でも音を揺らせた方が表現の幅が広がります。

 


フローティング、ノンフローティングによる音の違い

トレモロユニットの機能以外では、音の変化も見逃せません。

フローティング設定の場合だと柔らかな音ですが、ノンフローティング設定だと弦振動がボティーに直に伝わる為に音がタイトでパワフルになります。

手持ちのギターでは、ヴィンテージタイプの6点止めのシンクロナイズドトレモロはフローティング設定、2点止めのトレモロユニットはクリケットしやすい(弦をヒットするタイミングでユニットが微振動し音が揺れてしまう)のでノンフローティング設定にしています。

6点止めのシンクロナイズドトレモロではこれが初ですね。

著名なギタリストでは、フローティング派の代表はジェフ・ベック。ストラトキャスターを完璧に使いこなしています。イングヴェイ・マルムスティーンもフローティング派。

ノンフローティング派(ベタ付け)で有名なのは、エリック・クラプトンエドワード・ヴァン・ヘイレンなど。

エディーは音質というよりはブリッジミュート時の音の安定性をとってベタ付け設定にしていると、あるインタビューで語っていたと思います。

 


トレモロはダウンオンリーにするか、無効にするか

エリック・クラプトンは、スプリングアンカーのネジを締め込んで、さらにイナーシャブロック(トレモロブロック)後方に木片を噛ませてトレモロが動かないようにしていますが、同じようにトレモロ自体を無効にするのか、ダウンオンリーでも使えるようにするのかは悩むところです。

ノンフローティングにすると弦の張力によるバランスが取れなくなり、チューニングはやや不利になりますが、今はロック式のペグもあるので、ダウンオンリーでもチューニングは気にするほどではないでしょう。

※チューニングが狂う主な原因はペグ部分の弦のたわみによるものが最も大きいと思います。

ペグをロック式に交換するとそのたわみが無くなるのでアームを使ってもチューニングが安定します。その次がナット部分。

H.A.P.M(ハイトアジャスタブルポスト)機能を持つマグナムロック

おすすめのロック式ペグ一覧

現在は、スプリングアンカーのネジを締め込んでトレモロが動かないようにしていますが、アームバーを外しちゃうと、いつもの癖でアームバーを探してあれ?ない??ってなっちゃいますね、癖とは恐ろしい😅

トレモロをベタ付け設定にしたストラトキャスター

レスポールやテレキャスターではそんなことないのに不思議です。


トレモロユニットの代用

そもそも私はトレモロはあまり使わなくて、使うとしたらフレーズの最後に軽くビブラートを掛けるくらい。

でも無いと物足りないので、最近覚えたのは、ボリュームやトーンノブをフレーズの最後に動かすこと。

アンプのトレモロっぽい効果を狙ってのことですが、なかなか良いです😊

ボリュームやトーンを動かしてアンプのトレモロっぽい効果を得る

トレモロエフェクター繋いでおいて、そんな使い方するのもありかもです。

ということで、このストラトキャスターはノンフローティング設定のアームレスでしばらく行きます。

もちろん元に戻すのも簡単なので👍


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