ジェフ・ベックサウンドを再現するための最適機材ガイド:ギター、アンプ、エフェクターを徹底紹介
天才!Jeff Beck(ジェフ・ベック)の象徴的なサウンドを手に入れるためには、使用していたギター、アンプ、エフェクターなど、細部にわたる機材選びが重要です。本記事では、ジェフ・ベックが実際に使用していた機材を元に、彼の音を忠実に再現できるおすすめのギター、アンプ、エフェクター、アクセサリー等を詳しく紹介しています。
音作り
ジェフ・ベックの機材はシンプルです。ギターとアンプに加えて、60~70年代はトーンベンダー(ファズ)、80年代はRAT(ディストーション)などを使用していたようですが、彼の基本的な音作りは、指(ピック)とギターのボリュームやトーンの調整によるものです。
トーンベンダー:
60年代のヤードバーズ~ジェフ・ベック・グループ、70年代のフュージョン期に至るまで、一貫して使用したペダルとしてトーンベンダー(ファズ/トレブルブースター)が有名です。ジェフ・ベックの歪みの量は時期によって異なるものの、一貫してトーンベンダーを使用しており、とても魅力的なトーンを出しています。
ボリュームコントロール:
ジェフは、以下の動画(2:25~)のように、ボリュームノブを頻繁にコントロールし、音量と歪み量の調整を行うことでもおなじみです。
UPP feat. JEFF BECK – Down In The Dirt (1974 UK TV Performance) :
この時代にはまだチャンネル切り替えができるアンプは一般的ではありませんので、当時のギタリストたちはこのようにギターのボリュームを頻繁に操作して、音量と歪みのコントロールを行っていました。
ファズをOFFにしてクリーンサウンドを作る方法もありますが、ファズをかけたままギターのボリュームを絞ることで得られる「鈴鳴り」と呼ばれる(低域が抜け高域成分が残る)独特のクリーンサウンドの存在も大きく、ジェフだけでなく、ジミ・ヘンドリックスやジミー・ペイジ、トミー・ボーリン、リッチー・ブラックモアなどファズ愛用者も同様です。
ちなみに鈴鳴りサウンドはモデリングやオペアンプファズでは得ることが出来ませんので、ゲルマニウムやシリコントランジスタを使用した、本物のファズを手に入れましょう。
このページでは、ジェフ・ベックサウンドを再現するためのギター、アンプ、エフェクターなどの機材を紹介しています。
ギター
ジェフ・ベックの近年のメインはストラトキャスターでしたが、ヤードバーズ時代はテレキャスター、ジェフ・ベック・グループ時代はサンバースト・レスポールやストラトキャスター、BBA(ベック・ボガート・アピス)時代はオックスブラッド・カラーの1954年製レスポール等を愛用していました。
FENDER Telecaster HH
ジェフ・ベックのテレキャスターといえば、2つのハムバッカーが搭載されたテレキャスター通称「Tele-Gib(テレギブ)」が有名です。
このギターは「セイモアダンカン」が組み上げたもので、ジェフ・ベックにプレゼントしたものです(ヤードバーズ時代のエスクワイヤーと交換)。
この「Tele-Gib(テレギブ)」を気に入ったジェフは、『悲しみの恋人達 ” Cause We’ve Ended as Lovers”』など「Blow by Blow」のアルバムで使用したと言われています。
通常のテレキャスターと比較すると、ブリッジが異なるのでハムバッキングピックアップが搭載されていることを除いても出音はテレキャスターとは違う太い音がすると想像できます。
2ハムバッキングのテレキャスターは、FENDERとSQUIERから発売されていますので、ジェフ・ベック好きは要チェックです。
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ピックアップ:Jazz & JB
ジェフ・ベックの伝説的なテレキャスター「Tele-Gib(テレギブ)」に搭載されていたピックアップは、ギブソンのPAF(Patent Applied For)ピックアップをセイモア・ダンカンが独自に巻き直したものです。
ダンカンは、レコーディング中のジェフに「Tele-Gib(テレギブ)」を贈るため、壊れたPAFを早急に修理する必要がありました。2つのワイヤーをロールで手に入れたダンカンは、フロントネックピックアップは太いワイヤーで少量巻いたもの(これはワイヤーが少しかなかったため)、リアピックアップは細いワイヤー使用し、巻数を増やしサスティン、倍音、出力を向上させ完成させました。
参考:Seymour Duncan The Story of the Tele-Gib
これら2つのピックアップは、後にJazz(フロント)、JB(リア)として発売されるセイモア・ダンカンを代表するピックアップになります。
Jazz model ( SH-2 ):
- 直流抵抗値:ネック7.72K、ブリッジ7.9k
- マグネット:アルニコ 5
JB model ( SH-4 ):
- 直流抵抗値:16.40k
- マグネット:アルニコ 5
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Seymour Duncan Jazz model:
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SEYMOUR DUNCAN SH-2 – YouTube (動画)
Seymour Duncan JB model:
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SEYMOUR DUNCAN SH-4 – YouTube (動画)
FENDER Telecaster
ジェフがヤードバーズ時代に使用していたのは1ピックアップのエスクワイヤー(テレキャスター)です。
以下の写真はヤードバーズ時代のものですが、同じくコンターが入っているので同じエスクワイヤー(テレキャスター)でピックガードのみ白or黒に交換したものだと思われます。
現行モデルなら、アッシュボディ、メイプル1ピースネックの50年代前半のモデルのテレキャスターが良いでしょう。
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50s Telecaster:
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Fender 50s Telecaster – YouTube (動画)
GIBSON Les Paul
後期ヤードバーズから、Truth (1968年)、Beck-Ola (1969年)の第一期ジェフ・ベック・グループのあたりのメインギターはサンバースト・レスポール・スタンダード。
ヤードバーズ時代には、ホワイトボビン(ダブルホワイツ)のハムバッカーと、ブラックのシングルプライピックガードが特徴的な1959年製レスポール・スタンダードを愛用。ジェフ・ベック・グループ時代には白黒ボビンのレスポール・スタンダードを愛用していました。
また、UPP/BBA ( ベックボガードアピス )時代は、P90ピックアップをハムバッキングに交換したオックス・ブラッド ( 雄牛の血の色 )と呼ばれる独自の色合いのブリッジ/テールピース一体式の1954年製レスポールをメインに使用していました。
オックスブラッドと呼ばれるカラーの1954年製レスポールを持つジェフ。
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Gibson Les Paul Standard:
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YouTube – Gibson Les Paul Standard(動画)
1954 Les Paul:
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Gibson Les Paul Standard – YouTube (動画)
1954 Les Paul – YouTube (動画)
FENDER Stratocaster
Rough and Ready (1971年)、Jeff Beck Group (1972年)の第二期ジェフ・ベック・グループから使用を始めるストラトキャスターは、1弦側ピックガード先端をカットし、ジャズマスター用ノブを付けたナチュラルフィニッシュ、メイプル指板の50年代のものと思われるストラトキャスターや、ピックアップセレクターがON/OFFスイッチになったホワイトカラー、ローズウッド指板の60年代のものと思われるストラトキャスターが有名です。
ヴィンテージストラトキャスターを再現したAmerican Vintage II Stratocasterならばっちりです。
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American Vintage II Stratocaster:
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FENDER American Vintage II Stratocaster – YouTube (動画)
ジャズマスター用ノブ
ジェフのナチュラルフィニッシュのストラトキャスターを再現するなら、ジャズマスター用のノブは必須です。
あとはピックガードを適当な位置でカットしましょう。
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FENDER Jeff Beck Stratocaster
80年中盤以降は自身のモデルを使用するジェフ・ベック。ハードなアーミングを支える2点支持トレモロ、ローラーナット、ノイズレスでハイゲインなピックアップ ( Hot Noiseless Strat PickUps )というのが特徴です。
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FENDER Jeff Beck Stratocaster – YouTube (動画)
アンプ
ジェフ・ベックはアンプには特こだわりがないようで、ヤードバーズ期はVOX AC30、 ジェフ・ベック・グループ時代はAmpegやMarshall1959などを使用。
近年もMARSHALL 1987XやJCM800など会場に応じて使っているようです。
Ampegアンプとジェフ・ベック。隣にはシルバーパネルのフェンダー・チャンプらしきアンプも確認できます(トーキング・モジュレーター用?)。
ロックギタリストの定番マーシャル。
”Big Town Playboys”とのライブではフェンダーPro JrもしくはBlues Jrらしきアンプを使っている映像も確認できます。
MARSHALL 1959 ( 100W )
Spec;
真空管:ECC83x3、EL34x4
重量:20.5kg
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YouTube – marshall 1959SLP (動画)
MARSHALL SV20 ( 20W / 5W )
お手頃サイズの1959をお探しならこのSV20(Studio Vintage)がおすすめです。
SV20は、MARSHALL 1959SLPを元に開発された出力20W(5W切り替え可能)のモデルで、オリジナル1959同様の4インプット仕様で、マスターボリュームは未搭載ですが、5Wモードもあるので100Wの1959よりは歪みが得やすくおすすめです。
リアパネルにはエフェクトループ、DIアウト、スピーカーアウトが搭載され、さまざまな環境で柔軟に使用できます。
コンボとヘッドがラインナップされています。
Spec;
スピーカー:1×10″ Celestion V-Type(コンボのみ)
スピーカー出力: × 5 (16Ω×1、8Ω×2、4Ω×2)
真空管:3xECC83 / 2xEL34
重量:
H460xW500xD245、15.85kg(コンボ)
H240xW500xD230、9.25kg(ヘッド)
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MARSHALL SC20 ( 20W / 5W )
SC20(Studio Classic)は、80年代の名機「JCM800 2203」を元に開発された、20W/5W切り替え可能な小型アンプです。マスターボリュームを搭載し、さらに5Wモードもあるため、オリジナルのJCM800よりも扱いやすくおすすめです。
背面にはエフェクトループ、DIアウトが搭載されています。
コンボとヘッドがラインナップされています。
Spec;
スピーカー:1×10″ Celestion V-Type(コンボのみ)
スピーカー出力: × 5 (16Ω×1、8Ω×2、4Ω×2)
真空管:3xECC83 / 2xEL34
重量:
H460xW510xD255、14.55kg(コンボ)
H240xW510xD240、9.4kg(ヘッド)
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MARSHALL Origin シリーズ
Marshall ORIGINシリーズは、ヴィンテージマーシャルのデザインを踏襲しつつ、モダンな機能を搭載したモデルです。
特に、ゲインブースト機能とサウンドキャラクターを変化させられるTILTコントロールが特徴で、これによりモダンなオーバードライブサウンドを得ることも可能です。
TILTコントロールは、THE AMP SHOP西田製作所さんの動画によると、ヴィンテージの4インプット仕様のマーシャルアンプのチャンネルリンクのサウンドを再現したものだそうです。
ラインナップには、5WのORIGIN 5、20WのORIGIN 20、50WのORIGIN 50があり、いずれも出力を落とすことができるパワーリダクションスイッチが搭載されていますので、小音量での使用にも対応できます。
ORIGIN 5を除き、アンプヘッドとコンボの両方がラインナップされており、さらに、付属の2Wayフットスイッチを使用することで、ゲインブースト機能とエフェクトループ機能のON/OFFが可能です。
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エフェクター
ジェフ・ベックがキャリア初期から80年代初頭まで愛用したのはColorsound (Sola Sound)などから発売されていたトーンベンダー(ファズ/トレブルブースター)。
ファズは常にかけっぱなしで歪みと音量はギターのボリュームで行います。
JIM DUNLOP CRY BABY(ワウ)
ジェフがワウを使った名演は沢山ありますが、激しい曲なら Got the Feeling、聞かせる曲なら Definitely Maybeでしょうか。
Cry babyは、ジェフをはじめジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、マイケル・シェンカーなど多くの偉大なミュージシャンが愛用した伝説のワウです。
[ 定番ワウ ] VOXとJIM DUNLOPのワウ おすすめはどっち?[ 比較 ]
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YouTube – JIM DUNLOP CRY BABY(動画)
Dunlop Cry Baby GCB-95 | Reverb Demo Video:
Manlay Sound Bender(ファズ)
ジェフ・ベックやジミー・ペイジ、ビートルズも愛用したトーンベンダーがManlay Sound ( マンライサウンド )から。
※2014年3月以降のモデルには"ヴィンテージ/モダン"のバイアススイッチを搭載しています。
ラインナップ:
Ronno Bender (65 Bender):
Yardbirds時代のジェフ・ベックや、The Whoのピート・タウンゼントなどが愛用したTone Bender MK1のレプリカ。ゲルマニウムトランジスタをベースにコンプレッション感のある中域に特徴のあるウォームなファズサウンドを表現しています。
66 Bender:
かの有名なFuzz FaceとVox Tone Benderにインスパイアされたサーキットが印象的なTone Bender MK1.5のレプリカ。2つの完全ハンドセレクトのゲルマニウムトランジスタにより極上の60′s ファズトーンを生み出しています。
ビートルズ・ファンにはあのRubber Soulの Think for Yourself (浮気女)のファズサウンドといえば良く分かるクラシックファズの銘機です。
Super Bender:
ジミー・ペイジがヤードバーズ後期からレッド・ツェッペリンの初期のアルバムで使用したことでも有名なTone Bender MK2のサウンドを再現。ZOSO logoバージョンもラインナップ。
MK3:
トーンベンダーの完成系ともいえる1968年のサウンド再現。オリジナルのトーンベンダーMK3はRotosoundブランドのバージョンが有名です。
※MK3は電池駆動のみ。その他のモデルは9VセンタープラスACアダプターに対応(一般的なBOSSタイプの9VセンターマイナスのACアダプターは使用できません)。
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YouTube – Manlay Sound Bender (動画)
PROCO RAT(ディストーション)
80年代にジェフ・べック が愛用したことで一躍有名になったディストーションペダル ”RAT”。トーンベンダーを愛用していたジェフが気に入るの分かるよなという図太く、ファズに似た荒々しいサウンドが特徴です。
RATラインナップ:
RAT2:
RATの後継モデル。軽いクランチから荒く激しいファズライクな歪みまで出力。
LIL’ RAT:
サウンドと操作つまみはRAT2と同じながら、幅わずか2インチ(5cm)でRAT2の約半分のサイズになったLIL’ RAT。
TURBO RAT:
RATと同じ回路でありながらクリッピングダイオードにLEDが使用され、よりアグレッシブな音を出力。
You Dirty RAT:
クリッピングダイオードがゲルマニウムに変更されたヴィンテージRATに似たサウンド。
FAT RAT:低域のブーストと高域のカットを行うFATスイッチと、アンプライクなMOSFETと従来のRATサウンドのゲルマニウムを切替可能にした2つのスイッチを搭載したモデル。
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YouTube – PROCO RAT (動画)
CATALINBREAD Katzenkonig(ファズ)
Katzenkonigは、ジェフ・ベックも愛用したヴィンテージUKファズを代表するTone Benderと、同じく80年代にジェフ・ベックが愛用したRATディストーションを融合したドライブペダルです。
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Catalinbread Katzenkonig – YouTube(動画)
Behold the Katzenkönig!:
Cause We’ve Ended as Loversのトーンが見事に再現されていますね。
最大に歪ませると荒くボーボーいう感じもファズっぽくて良いです👍
※一緒に写っているのはリバーブ”Catalinbread Talisman”です。
MXR Talk Box(トークボックス)
トークボックス/トーキング・モジュレーターとは、ギターの音をビニールホース通して口腔内で共鳴させ、人が喋っているような効果を出すエフェクターです。
ジェフ・ベックは She’s A Woman (Live)等でトークボックス/トーキング・モジュレーターを使用しています。
トーキング・モジュレーターの愛用者は他にも、ピーター・フランプトンやジョー・ペリー、ジョー・ウォルシュ、マティアス・ヤプス、リッチー・サンボラなどが有名です。
MXR M222 Talk Boxは、別途専用のアンプを用意する必要のないトークボックスで、Volume、Tone、Gainコントロールでトーンと歪みを調節できます。
本体にチューブが付属しています。
詳しくは下記の動画を御覧ください。
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YouTube | MXR Talk Box (動画)
アクセサリー
スライドバー
ヤードバーズ以前から多用されているジェフのスライドプレーは一聴の価値有り。
金属やガラス、陶器など材質により音質が異なるので色々ためしてみましょう。
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