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埃に気をつけ着色

ギターの塗装~エレキギターを市販の缶スプレーで簡単に塗りなおす方法

テレキャスター

エレキギターのボディの塗装剥がしから下地処理、市販の缶スプレーを使った塗装/リフィニッシュまでの手順を解説しています。

ギターのリフィニッシュ ( 再塗装 ) に挑戦!!

ギターの塗装は一見難しそうですが、正しい知識と適切な工具、(お風呂場などの)場所さえ確保できれば自分でも簡単に行うことが出来ます。

さらに速乾性で塗膜が固くギターの塗装におすすめのラッカー缶スプレーを見つけましたので一緒に紹介しています。


用意するもの

ギターのリフィニッシュで使ったもの

関連リンク
使用工具一覧はこちらから:
ギターのリフィニッシュで使用したもの一覧

*ページ途中や最後からでも飛びますので大丈夫です。


塗装の剥離

塗装の厚さが前々から気になっていたアメスタのテレキャスター。

音も悪い訳ではないけど、使っているうちに何処か納得いかない面が出てきました・・・

塗装を薄くすることで音に変化は現れるのでしょうか??

アイロンで塗装面を温める

ギターのリフィニッシュ/再塗装で最も大変なのは塗装剥がし

ヤスリを使ってゴシゴシ剥がすのが最も大変なのですが、実は塗装面をアイロンやドライヤーで熱することで簡単に剥がすことが出来るのです。

テレキャス(アメスタ)作業前
まずはパーツ類を外します

アイロンで暖め塗装を剥がして行きます

塗装の種類と剥がし方

ギターの塗装の種類は主に大量生産モデルに使用されるポリ系(ポリエステル/ポリウレタン)塗装と、ヴィンテージギターやハイエンドギターなどで使用されるラッカー塗装がありますが、共にアイロンやドライヤーで暖める/熱することで簡単に剥がすことが出来ます。

このギターの場合、塗面にアイロンを置いて約2分程で塗装面がふにゃふにゃになり、ゴムのようになるのでスクレーバーで簡単に剥がせました。

それにしても分厚い塗装です。

いくら当時と木材の質が違うとはいえ、これではヴィンテージと同じ音するはずありませんね。もちろんこの厚みのある塗装では何十年使おうがヴィンテージギターのような風貌(レリック)にもなりません😅

スクレーパー使用の注意点

スクレーパーは刃先は鋭利なものの方が楽に剥がせますが、木地を傷めてしまう可能性もありますので慎重に。

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ボディーサイドはドライヤーで剥がします
サイドはアイロンが乗らないのでドライヤーで熱します。

古いサンディングシーラーも削り取ります
塗装の下から出てきたアメ色の物体の正体は、サンディングシーラー。

しかし、サンディングシーラーも厚塗りしすぎですね。これもアイロンで暖め削り取ります。

綺麗に剥がし終わりました
剥がし完了!!綺麗な1ピース・・・・と、思いきや、


塗装を剥がして分かったアメスタの真実

ご存じの方もいると思いますが、フェンダーのアメリカンスタンダードや、レギュラーのエリック・クラプトン・モデル等はボディートップとバックに継ぎ目を隠すための薄い板を貼っています>現行モデル(American Professional)もそうなのでしょうか?

見事な1ピース!!と、思いきや、ボディーサイドを除いてみると・・・

アメスタのボディーは5ピース?

実は5ピースボディーだったアメスタ
まさかの5ピース😱

3ピース程度かと思っていたのですが予想以上、、、やるなアメスタ!!

塗りつぶしのアメスタは要注意です!!と、言っても多ピースだからといって音が悪い訳ではありませんが。

さてさて、次は細かいヤスリでボディーを整え、いよいよ塗装です


塗装工程

塗装剥がしが終わったっら、次は緊張の塗装編。

色は、前の色が気に入っていたので似たようなクリーム/アイボリーに決定

もちろん市販の缶スプレーで行います。

塗装の手順としては

  1. ウッドシーラー
  2. サンディングシーラー
  3. 着色(アンダーコート~トップコート)
  4. 水ヤスリによる研磨(水研ぎ)
  5. コンパウンドによる仕上げ

を行います。

ウッドシーラー

ウッドシーラーを吹きます
木部用プライマー
その前に、ウッドシーラーを軽く2~3回吹き付けます。

ウッドシーラーとは、木が塗料を吸い込んでしまうのを抑えるものです。これを省くと永遠に吹き付けることになり、厚塗りの原因にも>>経験あり😅

*アッシュなど塗装面がデコボコしているものは、この行程以前に”との粉”で目止めを行うと良いでしょう。

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との粉とは、アッシュ材やマホガニー剤など大きな導管を埋める為に使うもので、粉を水に溶いて使います。

深くない導管なら以下のサンディングシーラーを厚めに塗ることでも代用可能だと思います。


サンディングシーラー

サンディングシーラーを塗ります
サンディングシーラー
サンディングシーラーとは、塗装ノリを良くするもの。

ハケで厚めに塗り、ボディーのちょっとした凹も埋めてしまいましょう。2度程塗りました。

乾燥後、240~400程度のヤスリで塗装面を平坦にします(凹みがあれば部分塗装を行う)。

 

この段階ではまだ磨き上げる必要はありません

アトムハウスペイント サンディングシーラーを使用しました

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塗装/着色

埃に気をつけ着色

塗装面が平らになったら、いよいよ着色です!通常は色ノリを良くする為にアンダーコートといって白系の塗料を先に塗るらしいのですが、今回はパス。

※ギターによってはアンダーコートをしてあるものとそうででないものがあります。木目の見えない塗りつぶしのカラフルなものにはアンダーコートをしたほうがきれいに発色するようです。

アンダーコートの例
アンダーコートの例:白い塗料が見えます
調べてみよう

塗装の場所はお風呂場を養生し行いました。

一発目は軽く、二発目以降は液ダレに気をつけまんべんなく一気に塗りました。

それを3~4度繰り返し終了(上手くゆけば2度でも良いかと思います)。

埃が付着しても失敗ではありませんので慌てないこと。乾燥を待ち、1000番程度のペーパーで軽く削り、再塗装すれば綺麗になります

 

いくつか試しましたが、速乾性と塗膜の硬さではアスペン ラッカースプレーがおすすめです。

同じラッカースプレーでも塗膜が柔らかく弾力性のあるものはギターには向かないと思います(自動車のバンパー用だったりするのでしょうか?)。

ギターの塗装におすすめのラッカースプレー

トップコート

テレキャスボディー 着色完了!
ベースとなる色(クリーム)の塗装完了!!

まだらにならない程度に均等な色塗りは出来たと思います。

1~2日置いてから、いよいよトップコート(クリアの吹き付け)です。

トップコートの前は、特に磨き上げる必要はなく、#1000のペーパーで塗装の粉っぽい部分や塗装中に出来た凹凸を慣らす程度にした後の吹き付けで大丈夫だと思います。

移動中に付けた傷
ぶつけて出来たキズ↑修正も出来たけどこれも味ってことで、そのままスルー。

こちらも埃に気をつけつつ、ボディに艶(つや)が乗るまで行いました。

クリアーのスプレー缶は3缶弱使用しました。3缶といっても、そのほとんどがボディ吹きつけ以外の捨て拭き なので、意外と薄く仕上がっています。

クリア吹きつけ完了!
クリアー吹きつけ完了!! この状態で2~3日(出来れば一週間ほど)待ちます。

一見ツヤツヤですが、塗面はまだデコボコの状態なので、乾燥後#1000~#1500、#2000の程度のペーパーで水研ぎ(石けん水を使った方が良いらしい)をし、塗面を平らにします。


水研ぎ

水ヤスリで磨きます
#1000~#3000の水ヤスリに水や石鹸水などをつけて、表面が平らになるまで(木地が出ないように気をつけつつ)地道に磨きます。ボディーの角は削りやすく木肌が出やすいので慎重に。

ペーパーホルダー(角材等でも可)を使うと楽です。

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コンパウンドで仕上げる

仕上げにコンパウンドで磨きます
水研ぎで付いたキズを今度はさらに細かいコンパウンドを柔らかい布等に付けて磨きます。

これは車用ですが、以前よりラッカー塗装のギターの研磨にバンバン使っていますので問題ありません。

※皆さんが使うときは目立たないところで確認してからの使用をお願いします。

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つや出しに使う便利なもの
手磨きはかなり根気が要るので、綺麗に仕上げるなら 電動ポリッシャーは必須!

写真のように電動ドリルに付けるものも販売されています。

スポンジやタオル素材のものにコンパウンドを付けて磨き上げ、仕上げに写真のようなものを使うと艶が出ます。

普段のお手入れにも使えます。

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ネックの塗装

テレキャスのネックです。ペーパーで少しだけ削りました
ボディ程ではないですが、アメスタはネックの塗装もなかなかの厚みです。

今回は塗装はしませんでしたが、ついでなので#600のペーパーで軽く磨いて、#1000~#2000番で整える程度は行いました。

テレキャスのネック裏 ヤスリを少々
裏も同様です。


塗装完了!
コンパウンドで磨きました
よく見ると粗も目立つのですが、ここまで磨き上げました

ツヤツヤの塗面です

オモチャのギターが映り込んでいます
ここまで艶が出れば充分です。

コンパウンドで艶をここまで出すことが出来ました

作業中に付いた傷
作業中に付いた傷。

でも元の塗装よりもかなり薄いのが分かると思います、ついでに、レリック処理をしてしまおうか??

ここで緊張の塗装は終了!ただ、塗料の臭いが残っている(乾いていない??)ので、組み込みは少し待った方が良さそうです。


組み込み

塗装完了から1週間経ちました。アッセンブリーの組み込みを行います。

アッセンブリー組み込み
通常のアメリカンスタンダードはフロントPUがピックガード・マウントなのですが、出音に不満でこのギターはダイレクト・マウントに変更してあります

この状態で弦を張ってPUのバランス調整を行なわないと、ツバだし22F仕様なのでネックを外さないとピックガードを装着出来ません

リフィニッシュ(組み込み)完了!!
PUのバランス調整が終わり、ピックガードを装着しました。

リフィニッシュ(組み込み)完了!!裏


完成

細かく見れば粗も目立ちますが、素人が缶スプレーでやったわりには上出来だと思います

さて、肝心のアメスタの音は変わったのでしょうか??

激変とまではいきませんが、かなり変わりました!

作業前も低音弦のパワー感こそあったのですが、1~3弦の音がスポイルされ綺麗に出きっていない感じだったのが、作業後は塗装を薄くしたからなのか、ラッカーにしたからなのかは分かりませんが、弦振動がボディーに伝わるようになり、特にシャリ~ンとした金属的な響きがよりテレキャスターっぽくなった感じです。

色々調べて見ると、ラッカーの完全硬化は半年くらいかかるそうなので、その後のサウンドに変化があるのか?これから非常に楽しみです(^-^)>塗料の臭いも完全には消えてないし・・・・


追記

リフィニッシュ完了から一ヶ月、塗料の臭いも消え、音の方もようやく乾いたパキパキの音がするようになってきました👍

が、塗料の薄さが原因なのか?塗装の失敗なのか?ちょっとぶつけただけで簡単に塗装が剥がれてしまいます・・・何故だろう??レリックも嫌いじゃないのでそのままで全く問題ないのですが、ちょっと気になります。

テレキャスターのリフィニッシュその後1

テレキャスターのリフィニッシュその後2

クリーム/アイボリーの塗装剥がれについて考えたこと

下地のサンディングシーラーはもっと荒目のほうが塗装の食いつきが良かったのかもしれません。

それと仕上げのクリアーですね。

クリアーはつや出しの他に、下に塗ったクリーム/アイボリーの保護の役割もあるのでもっと厚く塗ったほうが良かったのかも🤔

もしこのページを見てギターの塗装に興味を持ち、やってみようと思った方はこのあたりも頭に入れて行ってみてください。

もっと簡単なギターの塗装

今回は一般的なギターの塗装方法を紹介しましたが、さらに簡単なのは下地にスプレー缶ではなく着色料/ステインを使う塗装方法。

和信 ポアーステイン

ステインは刷毛で着色するので、スプレーを吹く塗装の工程を1つ減らすことが出来、仕上げに吹くクリアーは文字通り透明な塗料なので場所を汚すこともないのでDIYユーザーにはおすすめ!

ステインは水で薄めることも出来るので以下のような木目を生かした塗装も可能!もし剥がした木目が綺麗ならステインを使った着色のほうが良いかもしれません。

ステインは水で薄めることも出来るので以下のような木目を生かした塗装も可能!

ステインは刷毛で着色するので、スプレーを吹く塗装の工程を1つ減らすことが出来、仕上げに吹くクリアーは文字通り透明な塗料なので場所を汚すこともないのでDIYユーザーにはおすすめ!

👇結構綺麗にできるでしょ??

詳しくはこちらから

ギター組み立てキットで塗装にチャレンジ

用具さえ揃えたら塗装は素人でも意外と簡単に出来ます。

このようなギター組み立てキットも販売されているので、自分好みのカラーに仕上げるのも楽しいと思います。

ギターキットは、ストラトキャスターや、レスポール、テレキャスター、SG、セミアコなどがラインナップされています。

もちろん、ボディーやネックなど単品の購入も可能です。

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2019年3月23日改造,塗装,特集

Posted by Tsune