MusicMan Silhouette Specialのフレットすり合わせ
自分でフレット交換後、しばらく放置していた MusicMan Silhouette Specialのフレットすり合わせを行いました。
フレットすり合わせとは
フレットすり合わせとは、以下のように減ってしまったフレットの凹みをヤスリで平らにする作業です。
フレットすり合わせは過去にも何度かやったことあるのですが、この MusicMan Silhouette Special は大昔に中古で買ったもので、フレットの感じが気に入らなくて自分でジャンボフレットに打ち替えています(フレット交換)。
で、このMusicMan Silhouette Specialを久しぶりに取り出して弾いてみようとするとネックの反りを調整してもフレットの高さがバラバラで、特に4、5、6弦のビビりがひどい状態です(私は低めの弦高が好きなので)。
サンディングブロックを使用してのフレットのすり合わせ
フレットをすり合わせるための器具 ”サンディングブロック”は持っているので、これにサンドペーパー(紙やすり・水ヤスリ)を巻き付けて作業を行います。
フレットのすり合わせは 1,000番や1,500番くらいの目の細かいヤスリで十分作業できます。
MusicMan Silhouette Specialのスペックを見てみると、指板のアールは10″(254R)とのことなので、サンディングブロックのアールも同じものを使用します。
Silhouette Special _ Guitars _ Ernie Ball Music Manより~
今回のすり合わせ作業で行う”フレットの高さ”は、このように信頼できるステンレス製の定規を当てて、片側を押してみればすぐに分かります。
どちらかが低いと定規がカタカタ動くので、その部分を重点的にサンディングブロックでスリスリするだけ(弦を張った状態でも確認しましょう)。
全体のすり合わせが終わったら、仕上げの前に一度弦を張ります。
サンディングブロックはあくまでも負荷がかかっていない状態で真っ直ぐにしているだけなので、弦を張って(テンションを掛けて)チェックしてみると十中八九 バズ(ビビリ)が出るはずです。
そこで登場するのがこの▼StewMac Fretbar Understring Levelerです。
StewMac Fretbar Understring Levelerを使ったすり合わせ(微調整)
StewMac Fretbar Understring Levelerは弦を張ったままでフレットのすり合わせが出来るとても便利なツールです。
いままではこんな感じで調整していましたが、StewMac Fretbar Understring Levelerのおかげで作業効率が格段にアップしました👍
▼StewMac Fretbar Understring Levelerの使い方はこちらで紹介しています。
フレットファイル / TL-FFを使用し各フレットの形成
フレットのすり合わせ具合にもよりますが、多く削ってしまうとフレットの頂点が平らになってしまうので、フレットファイル / TL-FFを使用し、フレットの頂点を残しつつ、サイドを削り落とします。
フレットの頂点にマジックを塗っておくとすり合わせたフレットを削ってしまうことがなくなるので安心です。
仕上げ
次に適当な角材に1,000番程度のヤスリを巻き付けてフレットの角をキレイに研磨します。
再度2,000番程度のサンドペーパーを軽くかけ。
次にスチールウールで磨き。
金属磨きの定番”ピカール”をウエスに取って磨きます。
これでフレットがピカピカ✨になります。
フレットがキレイになったら、指板にはレモンオイル、フレットの保護(曇り止め防止)にCAIG / DeoxITを塗って終了。
フレットすり合わせ まとめ
よく見ると仕上げの粗い部分もありますがまぁこんなものでしょう。
フレット交換は大変ですが、フレットのすり合わせくらいは出来るようになっておくとメンテナンス代が浮くの良いですね。
✅フレットをすり合わせ手順:
- サンディングブロックにサンドペーパーを巻き付けて、特定の箇所の凹みがなくなるまで1フレットから最終フレットまでまんべんなくスリスリ。
- 凹みがなくなったら定規を当てて、低いところ、もしくは高いところがないかをチェック。
- 修正箇所があればサンディングブロックにサンドペーパーを巻き付けて再びスリスリ。
- 平らになったら弦を張ってテンションを掛けた状態で”StewMac Fretbar Understring Leveler”を使い微調整。
- 再び弦を外し、フレットファイル / TL-FFとマジックを使用し、頂点を残しつつ、サイドを削り落とします。
- 適当な角材にサンドペーパーを巻き付け、フレットサイドをスリスリ。
- 2,000番程度のサンドペーパーやスチールウールでフレット全体を研磨し、ピカールで仕上げ。
- 指板にレモンオイル、フレット部分にCAIG / DeoxITで保護。
- ※フレットを大きく削った場合はナットの調整が必要になる場合があります。
という感じです。
※大切なギターを傷つけないように指板や必要であればボディーもマスキングして保護しましょう。
※フレットのすり合わせ作業によって大切なギターを痛めてしまう場合がありますので作業は自己責任で。お金を払って信頼できるショップにお願いしたほうが確実です。
作業終了後、MusicMan Silhouette Specialをセットアップしてみると、1弦12フレット上で1.3mm程度、6弦は2.0mm弱程度でもビビリや音詰まりも出なくなりましたヽ(=´▽`=)ノ
フレットすり合わせで使用した工具
サンディングブロック / TWSB
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StewMac Fretbar Understring Leveler
StewMac Fretbar Understring Levelerは、弦を張ったままでフレットが削れるツールです。
サンディングブロックで全体をすり合わせた後は、このFretbar Understring Levelerを使えばより細かな調整ができます。
※すり合わせは付属のバーをナット手前に入れてかさ上げし、チューニングを合わせてから行ってください。
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ヤスリ ( サンドペーパー )
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フレットファイル / TL-FF
すり合わせで平らになったフレットの角を落とし丸く仕上げるためのヤスリです。
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スチールウール
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直尺 ( スケール ) 15cm
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KEN SMITH / CLASSIC WAX POLISH
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CAIG / DeoxIT
☑DeoxIT D5S-6:(今回使用したもの)
DeoxIT D5S-6は、楽器、パーツの接点部分に少量使用する事で、酸化汚染物質を除去し金属パーツ本来の導電性を取り戻します。
その他、金属の摩耗を低減し、潤滑、酸化防止効果も。
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日本磨料工業 / ピカール
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