エリック・ベルサウンドを再現するための最適機材ガイド:ギター、アンプ、エフェクターを徹底紹介

エリック・ベルのストラトキャスター

2022年1月13日ギタリストの機材

Thin Lizzyの初代ギタリスト Eric Bell(エリック・ベル)サウンドの象徴的なサウンドを手に入れるためには、使用していたギター、アンプ、エフェクターなど、細部にわたる機材選びが重要です。本記事では、エリック・ベルが実際に使用していた機材を元に、彼の音を忠実に再現できるおすすめのギター、アンプ、エフェクター、アクセサリー等を詳しく紹介しています。

ラージヘッドのストラトキャスター


音作り

Thin Lizzyというとブライアン・ロバートソンやゲイリー・ムーア、スノウィー・ホワイト、ジョン・サイクスとスコット・ゴーハムとのツインリードが有名ですが、初代ギタリスト"エリック・ベル“の時代もなかなかカッコいい。

The Rockerは、歪んだストラトキャスターで弾く激しいリフが非常にカッコイイ曲です。

ストラトキャスターをMarshall 100-watt head with 2×12 cabinetにプラグインし、歪みはトーンベンダー(ファズ/トレブルブースター)を使っていたようです。

ソロの手前のリフでシュワシュワしているフランジャーっぽい音は何でしょうか?当時はまだフランジャーというエフェクターはなかったと思いますのでテープ・フランジ効果をレコーディングスタジオで付加したものでしょうか?

そんなテープ・フランジ効果を再現したペダルがCATALINBREADから発売されています。

CATALINBREAD Zero Point
CATALINBREAD Zero Point

さらにワウの使い方も良いですね。

Thin Lizzy Ray-Gun:

エリック・ベルのワウはもちろん、フィル・ライノットもジミ・ヘンドリックスに似せて歌っている?ところもすごいです。

 

Thin Lizzy Mama Nature Said:

スライドもカッコいい!

 

エリック・ベルが参加しているのは1stの『Thin Lizzy』 (1971年)、2ndの『Shades of a Blue Orphanage』(1972年)、3rdの『Vagabonds of the Western World』 (1973年) ですがどれも素晴らしいのでぜひ聴いてみてほしいです。

『Thin Lizzy』 (1971年) 『Shades of a Blue Orphanage』(1972年) 『Vagabonds of the Western World』 (1973年)

3枚のうち、おすすめを1枚選ぶなら3rdの『Vagabonds of the Western World』 (1973年) ですかね。

 

The Rockerも入っていますし、特にDeluxe Editionに収録されているBBCライブは必聴!

エリック・ベルもそうですが、ぶっといベースのフィル・ライノット、軽く叩いてるんだけど後ノリ気味で重厚さを出してるブライアン・ダウニーのドラムも良いです。

このページでは、エリック・ベルサウンドを再現するためのギター、アンプ、エフェクターなどの機材を紹介しています。


ギター

Fender Stratocaster

ラージヘッドのストラトキャスター

動画で確認すると、エリック・ベルのストラトキャスターはヘッドが大きいので1965~1966年にかけて生産が始まるラージヘッドのストラトキャスターを使用していたようです。

エリック・ベルのストラトキャスター

指板はローズ。

後にHSH仕様のストラトキャスターも愛用。

エリック・ベルのストラトキャスター

現行モデルならラージヘッドでジミ・ヘンドリックスも愛用した1960年代後期の仕様を再現したFENDER Late 60s Stratocaster、もしくは1970年代のFENDER 70s Stratocasterが良いと思います。

トーンを絞ったウーマントーンを多用するのもポイントで、(ストラトキャスターはリアにトーンは噛んでいませんが)センターやフロントピックアップでトーンを絞ればエリック・ベル・サウンドに近づくと思います(コンデンサを良質なものに変えれば尚良し!)。

 

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FENDER Late 60s Stratocaster

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 YouTube – FENDER Late 60s Stratocaster (動画)

FENDER 70s Stratocaster

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 YouTube – Fender 70s Stratocaster(動画)


アンプ

MARSHALL 1959 ( 100w )

MARSHALL / 1959

エリック・ベルの使用アンプは不明な点も多いのですが、HAIWATTやMARSHALL 100w Headを使用していたようです。

最近はマーシャル・サウンドの出る素晴らしいエフェクターも多数発売されているので、それを利用しても良いでしょう。
マーシャル系ペダル特集

現行モデルならマーシャル1959でしょうか。

Spec;
真空管:ECC83x3、EL34x4
重量:20.5kg

この動画の後ろにあるアンプは何でしょうか?気になります。反対側にはマーシャルと思われるヘッドと4×12キャビネットも見えますがそちらにケーブルは伸びていないので使用していないと思います。

エリック・ベルのストラトキャスター

エリック・ベルのストラトキャスターとギターアンプ

 

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 YouTube – marshall 1959SLP (動画)


MARSHALL SV20 ( 20w / 5w )

MARSHALL / SV20コンボMARSHALL / SV20ヘッド

お手頃サイズの1959をお探しならこのSV20(Studio Vintage)がおすすめです。

SV20は、MARSHALL 1959SLPを元に開発された出力20W(5W切り替え可能)のモデルで、オリジナル1959同様の4インプット仕様で、マスターボリュームは未搭載ですが、5Wモードもあるので100Wの1959よりは歪みが得やすくおすすめです。

MARSHALL / SV20のコントロール

リアパネルにはエフェクトループ、DIアウト、スピーカーアウトが搭載され、さまざまな環境で柔軟に使用できます。

MARSHALL / SV20のバックパネル

コンボとヘッドがラインナップされています。

Spec;
スピーカー:1×10″ Celestion V-Type(コンボのみ)
スピーカー出力: × 5 (16Ω×1、8Ω×2、4Ω×2)
真空管:3xECC83 / 2xEL34
重量:
H460xW500xD245、15.85kg(コンボ)
H240xW500xD230、9.25kg(ヘッド)

 

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 YouTube – MARSHALL SV20(動画)

Studio Vintage | Official Demo | Marshall:

Tsuneくん

歪むアンプではないですが、クランチサウンドの美しさ、音の粘りなどが1959同様に素晴らしいですね。

IbanezのチューブスクリーマーやBOSSのSD-1など使ってドライブさせれば70年代から80年代ロックなら何でもこなせそうなサウンドです。


MARSHALL Origin シリーズ

MARSHALL / Origin シリーズ・コンボMARSHALL / Origin シリーズ・ヘッド

Marshall ORIGINシリーズは、ヴィンテージマーシャルのデザインを踏襲しつつ、モダンな機能を搭載したモデルです。

特に、ゲインブースト機能とサウンドキャラクターを変化させられるTILTコントロールが特徴で、これによりモダンなオーバードライブサウンドを得ることも可能です。

TILTコントロールは、THE AMP SHOP西田製作所さんの動画によると、ヴィンテージの4インプット仕様のマーシャルアンプのチャンネルリンクのサウンドを再現したものだそうです。

MARSHALL / Origin シリーズのコントロール

ラインナップには、5WのORIGIN 5、20WのORIGIN 20、50WのORIGIN 50があり、いずれも出力を落とすことができるパワーリダクションスイッチが搭載されていますので、小音量での使用にも対応できます。

ORIGIN 5を除き、アンプヘッドとコンボの両方がラインナップされており、さらに、付属の2Wayフットスイッチを使用することで、ゲインブースト機能とエフェクトループ機能のON/OFFが可能です。

 

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 YouTube – Marshall Origin(動画)

Marshall: ORIGIN 20C Combo:

Tsuneくん
動画を見ると、決してハイゲインサウンドが得られるアンプではないですが、AC/DC風のクランチサウンドが非常に美しいアンプです。

エフェクター

Colorsound Tonebender

エリック・ベルのサウンドは歯切れのよいハイの効いた歪みが特徴で、その正体はトーンベンダー(Colorsound Tonebender)

トーンベンダーとは当時の英国のギタリストがこぞって使用してたファズ/トレブルブースターで、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベックなどが使用していたことでも有名です。

参考:

エリック・ベルはトーンベンダーによる歯切れのよいサウンドはもちろん、ストラトキャスターのトーンを絞った色気のあるウーマントーンなども出しています。

現行モデルで探すなら、トーンベンダー系ペダルはいくつかのメーカーから発売されていますがおすすめは種類の豊富なManlay Soundのトーンベンダーレプリカです。

Manlay Sound Bender(ファズ)

Manlay Sound 65/66 BenderManlay Sound Super BenderManlay Sound MK III

Manlay Sound ( マンライサウンド )のトーンベンダーはマークIと呼ばれる初期のものからトーンベンダーの完成系ともいえるマークIIIまでのレプリカまでがラインナップされています。

※2014年3月以降のモデルには"ヴィンテージ/モダン"のバイアススイッチを搭載しています。

ラインナップ

Ronno Bender(65 Bender):
Yardbirds時代のジェフ・ベックや、The Whoのピート・タウンゼントなどが愛用したTone Bender MK1のレプリカ。ゲルマニウムトランジスタをベースにコンプレッション感のある中域に特徴のあるウォームなファズサウンドを表現しています。

66 Bender
かの有名なFuzz FaceとVox Tone Benderにインスパイアされたサーキットが印象的なTone Bender MK1.5のレプリカ。2つの完全ハンドセレクトのゲルマニウムトランジスタにより極上の60′s ファズトーンを生み出しています。

ビートルズ・ファンにはあのRubber Soulの Think for Yourself (浮気女)のファズサウンドといえば良く分かるクラシックファズの銘機です。

Super Bender
ジミー・ペイジがヤードバーズ後期からレッド・ツェッペリンの初期のアルバムで使用したことでも有名なTone Bender MK2のサウンドを再現。ZOSO logoバージョンもラインナップ。

MK3
トーンベンダーの完成系ともいえる1968年のサウンド再現。オリジナルのトーンベンダーMK3はRotosoundブランドのバージョンが有名です。

※MK3は電池駆動のみ。その他のモデルは9VセンタープラスACアダプターに対応(一般的なBOSSタイプの9VセンターマイナスのACアダプターは使用できません)。

 

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 YouTube – Manlay Sound Bender (動画)



CATALINBREAD Zero Point(フランジャー)

CATALINBREAD Zero Point

The Rockerのソロの手前のリフで聴けるシュワシュワしたサウンドは後のフランジャーだと思われますが、当時はまだフランジャーというエフェクターはなかったのでテープ・フランジ効果をレコーディングスタジオで付加したものだと思われます。

Zero Pointは、フランジャーの起源である“スルーゼロフランジャー(Thru Zero Flanger)"を再現したペダルです。

スルーゼロフランジャー(Thru Zero Flanger)とは、オープンリールテープとそのコピーを同時に再生した際、2つのテープの再生速度のずれにより、あるポイント(ゼロポイント)で位相がキャンセルされることにより起こるエフェクトで、さらに再生中のオープンリールテープの縁(フランジ)を触れることによって、その摩擦で再生速度を微細に変えることができることからフランジャーという名前が付いたと言われています。

Zero Pointには多くのフランジャーペダルにあるようなノブはなく、”テープの縁を押す”効果を再現したFlange Pushスイッチ(モメンタリースイッチ)のみで操作します。

内部にはGainトリムポットがあり、Zero Pointの全体のゲインを微調整することが可能です。

CATALINBREAD Zero Point内部のトリムポット

メモ
Zero Pointは電源を入れるとアディクティブモード(正位相/緑色のランプ)となり、位相をキャンセルせず、テープライクなアナログトーンのまま、強すぎないフランジャーをかけることもできます。

Flange Pushスイッチを押しながら電源を入れるとZero Pointはインバーテッドフェイズモード(逆位相/赤色のランプ)となり、位相をキャンセルすることでよりドラマティックな効果を作るサブトラクティブフランジモードになります。

 

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 YouTube | CATALINBREAD Zero Point (動画)

Tsuneくん

こちらのデモ動画ではその"The Rocker"のリフを弾いています。マニアックな方はフランジャーではなく、このCATALINBREAD Zero Pointですね👍

JIM DUNLOP EP103 Echoplex Delay(ディレイ)

JIM DUNLOP EP103 Echoplex Delay

この時代はまだディレイはありませんから当然テープエコーです。テープエコーとは名前の通りギターの音を録音して再生することで現在のディレイのような効果を出す機器です。

有名なのはMaestro Echoplexですが、エリック・ベル愛用のテープエコーはWEM Watkins Copicatだったようです。

Watkins Copicat

JIM DUNLOP EP103 Echoplex Delayは、テープエコーの名機「Maestro Echoplex EP-3」を再現したモデルで、テープエコーは現在主流のデジタルディレイと比べると柔らかなサウンドで、またテープエコーのプリアンプはつなぐだけで音が太くなると言われ、当時のギタリストの多くが愛用していました。

Maestro(マエストロ)エコープレックスEP-3

JIM DUNLOP EP103 Echoplex Delayは、ディレイ(タイムを設定)、サステイン(リピート回数を設定)、ボリューム(エフェクト・レベルを調整)に加え、テープエコー独特のテープ・サチュレーション(歪み)がアップする AGEモードを搭載したテープエコーのサウンドをリアルに再現した定番モデルです。

ディレイタイムは65~750msですが、外部タップテンポ・スイッチを接続することにより、最大4000msのディレイタイムを実現します。プリアンプ部は再現されていませんので、下記「Echoplex Preamp」と組み合わせればEchoplex EP-3の完成です。

 

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YouTube | Jim Dunlop EP103 Echoplex Delay (動画)

Dunlop EP103 Echoplex Delay Pedal Demo:

Tsuneくん
EP103 Echoplex Delayはこんなカッコいい音がします。オリジナルのテープエコー同様”発振”もします👍(4:45~)。


JIM DUNLOP Echoplex Preamp(ブースター)

JIM DUNLOP Echoplex Preamp

Echoplex Preampは、MaestroのEchoplex EP-3のプリアンプ部を再現したブースターです。Echoplexはエコー機能のほか、繋ぐだけで音が太くなるというブースター/プリアンプとしても評価が高く、多くのギタリストに愛用されていました。

Echoplex Preampは、FETを使用したMaestro Echoplex EP-3のオリジナル回路レイアウトをそのまま再現し、ゲインを最大+11dBまでアップさせることが出来ます。

エコー機能はありませんが、上記EP103 Echoplex Delayと組み合わせれば「Maestro Echoplex EP-3(エコープレックス) 」の完成です。

 

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 YouTube – JIM DUNLOP Echoplex Preamp (動画)


VOX V847-A(ワウ)

VOX V847-A

Ray-GunやThe Rockerなど、エリック・ベルのワウの使用頻度は非常に高いです。

ワウはどこのものを使用していたのかは探せませんでしたが、当時はVOXかJENあたりでしょうから現行でも手に入れることが出来ます。

VOX V847-Aは、1960年代のオリジナルVOXワウのスペックをベースに設計されたワウです。9V電池の他にACアダプターでも使用でき、インプットジャックはエフェクトオフ時のギターサウンドに色付けをしないバッファが内蔵されています(旧モデルのVOX V847はバッファー未搭載です)。

また、ペダルのインダクタを新たに設計し、これまで以上にオリジナルVOXワウのスペックに肉薄し、トーンはもちろんのこと、ダイナミクスも向上。あらゆる音楽スタイルで使えるワウペダルに仕上がっています。

[ 定番ワウ ] VOXとJIM DUNLOPのワウ おすすめはどっち?[ 比較 ]

 

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 YouTube – V847-A (動画)

VOX Wahペダル[V846-HW / V847A / V845]紹介映像:

VOX のワウまとめ 


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