Chicagoの初代ギタリスト Terry Kath(テリー・キャス)が実際に使用していた機材を元に、彼の音を忠実に再現できるおすすめのギター、アンプ、エフェクター、アクセサリー等を詳しく紹介しています。

音作り
テリー・キャスの機材はあまり知られていないのですが、海外のサイトを覗いてみると、ちょっと変わった方法でギターの音を歪ませていたようです。
▶TK’s Gear — The Terry Kath Experience
Chicagoの1stアルバム(1969年)に収録されているFree Form GuitarやListenの強烈なサステインは、StratocasterをBogen PAアンプに接続し入力ゲインを上げ、FENDER Dual Showmanアンプに接続という変わった方法で歪ませていたようです😮
※FENDER Dual ShowmanとはFENDER Twin Reverbのヘッド版ともいえるアンプです。
Chicago Listen (2002 Remaster):
ちなみにファズはジミ・ヘンドリックスでおなじみのFuzz Faceも使用していたようで、この曲はFuzz Faceとのミックスでしょうか。
Chicago Free Form Guitar (2002 Remaster):
エレキギター弦
テリー・キャス愛用のギター弦ですが、より細いものを好んでいたようです。海外のサイトを覗いてみると、1弦にはより細いテナーギター用のA弦を張り、フェンダーの010のセットの1弦用(E弦)を2弦に、3弦には010のセットの用に2弦用(B弦)をという感じで張っていたとの記述がありました。
この張り方はノーキー・エドワーズなどが有名で、彼らは1弦にバンジョー用の細い弦を張り、テリー同様、2弦に1弦用の弦を、3弦に2弦用の弦を張っていたと聞いたことがあります(おそらく初期のエリック・クラプトンもこの方法だと思います)。
もしかしたらこの時代の一部のギタリストの間では流行っていたのかもしれませんね。
このページでは、テリー・キャスサウンドを再現するためのギター、アンプ、エフェクターなどの機材を紹介しています。
ギター
柔らかなクリーンからファズをかけたジミ・ヘンドリックス・ライクなサウンドまで、素晴らしいトーンで魅了するテリー・キャスのメインギターはテレキャスター。

フロントピックアップにハムバッカーを搭載し、ブリッジプレートを切断し、ストラトキャスター用のシンクロナイズドトレモロを搭載。
さらにコントロールプレートの向きを逆にし、ボリュームの操作性を高めているのがポイントです。

The Terry Kath Telecaster | Dream Factoryより~
ボディー裏側は、シンクロナイズドトレモロ用の素人っぽい?ザグリが確認できます。

さらに別の動画をみると、3,4弦と5、6弦にもストリングガイドが追加されており、ピックはHercoを使用していたというのが分かります(カラーはゴールドなので硬さはミディアム)。



▼The Terry Kath Telecaster | Dream Factory | Fender:
2分45秒あたりで聴けるような音は、厚みがあって柔らかいHercoピックでないと出ない気がする。
なんか自分的に納得。#エレキギター #ピックhttps://t.co/3jjV7LJtCE
— ギター改造ネット (@guitar_kaizou) January 12, 2022
FENDER Limited Edition Terry Kath Telecaster

ファン待望のテリー・キャス愛用のテレキャスターがフェンダー・カスタムショップから発売されました(全世界で50本の限定品)。
シンクロナイズドトレモロやPignoseのステッカーなどテリー・キャス愛用のテレキャスターがそのまま再現されています。



Terry Kath Telecaster – YouTube (動画)
Fender Custom Shop Masterbuilt Terry Kath Telecaster by Dennis Galuszka:
Hercoピック

テリー愛用のピックはHercoのVintage 66のゴールド(Light Gauge)です。同じゴールドのFLEX 50とは硬さが異なりますがどちらもサウンドは最高です。

FENDER 50s Telecaster

50s Telecasterは、テリー愛用のテレキャスターと同じ年代の仕様です。スイッチプレートの向きを変えてみればより”らしく”なるでしょう。
Fender 50s Telecaster – YouTube (動画)

FENDER American Performer Telecaster

フェンダーから新たに発売された American Performer Telecasterには、テリー・キャス仕様でもあるフロントハムバッキングピックアップ仕様もラインナップされています。
Fender American Performer Telecaster – YouTube (動画)
コメント:
American Performer Telecasterは、70sロゴ、モダンCシェイプネック、9.5インチラジアス指板、ジャンボフレット22フレットと、モダンな仕様のテレキャスターです。
ピックアップには、このシリーズ用に新たに開発されたYosemite(ヨセミテ)シングルコイル・ピックアップを搭載、トーン回路には、音を濁らせることなくハイカットが行えるGREASEBUCKET TONE SYSTEMが採用されています。

FENDER 60s Stratocaster

テリー・キャスの愛用するストラトキャスターはナチュラルフィニッシュ、ローズウッドフィンガーボードの60s仕様です。

FENDER 60s Stratocasterなら完璧です。
FENDER 60s Stratocaster – YouTube (動画)
GIBSON SG Custom

レスポール同様、SGにもカスタムがあります。テリー・キャスの愛用のSG Customは3ピックアップ、ラージピックガード仕様です。

YouTube – GIBSON SG Custom(動画)
その他、GIBSON Firebird、GIBSON LesPaul Recording等も愛用していました。


アンプ
FENDER TWIN REVERB ( 85w )

テリー愛用のアンプはFender Dual Showman-Amp/デュアルショーマン・アンプ。
デュアルショーマン・アンプは同じくフェンダーのツインリバーブのアンプヘッド版と言っても良い仕様なので、使用するアンプはこのツインリバーブで問題ないでしょう。
小さなデラックスリバーブなら歪みを得やすくさらに良いかもしれません。
Spec;
- スピーカー:
2×12″(JENSEN C12K) - 真空管:
4×12AX7、2×12AT7、4×6L6 - サイズ・重量:
673×504×267mm、29kg
※現行のツインリバーブにはブラックフェイスの65モデル、シルバーフェイスの68モデルがラインナップされています。Tone Masterシリーズは真空管未使用のデジタルアンプになります。
YouTube – FENDER TWIN REVERB(動画)
FENDER DELUXE REVERB ( 22w )

Spec;
- スピーカー:
1×12″(Jensen C12K) - 真空管:
4×12AX7、2×12AT7、2×6V6、1×5AR4(GZ34) - サイズ・重量:
622×445×241、19.1kg
※現行のデラックスリバーブにはブラックフェイスの65、64、シルバーフェイスの68モデルがラインナップされていますが64 DELUXE REVERBはハンドワイヤード仕様、Tone Masterシリーズは真空管未使用のデジタルアンプになります。
YouTube – FENDER DELUXE REVERB (動画)


PIGNOSE 7-100 ( 5w )

レコーディングで使用したかは不明ですが、テリーはピグノーズ(ピッグノーズ)の開発にも関わっています。

PIGNOSE 7-100は、モデリングなどの機能は一切ないミニアンプですが、クリーンなサウンドはもちろん、ボリュームを上げるとフェンダー・チャンプ風のファズライクなドライブサウンドも得られるため、現在でも非常に人気があります。
このアンプは、エリック・クラプトンがアルバム『461オーシャン・ブールヴァード』のMotherless Childrenで使用したと言われている伝説のアンプでもあります。
バッテリーにも対応しているので、野外など電源のない環境での演奏に便利です。
Pignose 7-100 Amp デモ:
ボリュームを上げるとチューブアンプのような歪みでここまで歪みます。世界的ロングセラーなのも納得!!

エフェクター
JIM DUNLOP Fuzz Face(ファズ)

ジミ・ヘンドリックスでおなじみのファズフェイスは、テリー・キャスも使用していました。
ファズフェイスのぶっといブーミーな歪みから、オーバードライブ的な歪み、さらにはカリンとした鈴鳴りクリーンまで、ギターのボリューム1つでコントロールすることが可能です。
現行モデルでは小さなFuzz Face Miniがおすすめです。
Fuzz Face Mini
- FFM1 Fuzz Face Mini Silicon(青):
FFM1は1970年代のシリコントランジスタを使用したFuzz FaceのMINI版。ブライトでアグレッシブなサウンド。

- FFM2 Fuzz Face Mini Germanium(赤):
1968-69年代のゲルマニウムトランジスタを使用したFuzz FaceのMINI版。わずかにミスマッチな特性のトランジスタの組み合わせによるウォームなサウンドが特徴。

- FFM3 Fuzz Face Mini Hendrix(水色):
FFM3はJHF1 Hendrix Fuzz Faceと同じ回路を使用したFuzz FaceのMINI版。太くてスムースなFuzzサウンドが特徴。

- FFM4 JOE BONAMASSA FUZZ FACE MINI DISTORTION(黒):
Joe Bonamassaのハムバッカーギターにフィットするように設計されたファズフェイス。厳選したゲルマニウムトランジスタを使用。

- FFM6 Band of Gypsys Fuzz Face Mini(赤/白ノブ):
ジミ・ヘンドリックスの最も有名なライブパフォーマンスで聴ける攻撃的で噛みつくようなファズトーンを再現したモデル。

YouTube – Dunlop Fuzz Face (動画)

VOX V847-A(ワウ)

VOX V847-Aは、1960年代のオリジナルVOXワウのスペックをベースに設計されたワウです。9V電池の他にACアダプターでも使用でき、インプットジャックはエフェクトオフ時のギターサウンドに色付けをしないバッファが内蔵されています(旧モデルのVOX V847はバッファー未搭載です)。
また、ペダルのインダクタを新たに設計し、これまで以上にオリジナルVOXワウのスペックに肉薄し、トーンはもちろんのこと、ダイナミクスも向上。あらゆる音楽スタイルで使えるワウペダルに仕上がっています。
テリー・キャスのプレーで有名なのは 25 Or 6 To 4(長い夜)のソロがおなじみです。
現在ワウはメジャーなところではVOXとJim Dunlopから発売されていますが、VOXとJim Dunlopを比べるとややペチャっとした質感のVOXの方がテリーのサウンドには合ってるように感じますので、おすすめはVOX。
[ 定番ワウ ] VOXとJIM DUNLOPのワウ おすすめはどっち?[ 比較 ]
YouTube – V847-A (動画)
VOX Wahペダル[V846-HW / V847A / V845]紹介映像:
FENDER POUR OVER ENV FILTER(ワウ)

シカゴ中期から後期にかけて使い始めるのがエンベロープフィルター。
オートワウやタッチワウとも呼ばれるこの機器は、タイムやピッキングに応じてワウワウと音が変化するもので、例えばMama MamaのバッキングやYou Get It Upのソロ(ソロはキーボードかも?)などで使われているものはエンベロープフィルターだと思われます。
FENDERのPOUR OVER ENVELOPE FILTERは、従来のオートワウ機能に加え、ディストーション回路を搭載したモデルです。
High-Pass、Low-Pass、Band-Passという3つのフィルターとsweep-upとsweep-downのオプションによりオートワウからシンセのようなサウンドを得ることも可能です。ベースギターにもおすすめです。
YouTube | FENDER POUR OVER ENV FILTER (動画)
Fender Pour Over Envelope Filter:
その他ギタリストの機材はこちらから



コメント