ギターの音作りに欠かせないパーツの一つがコンデンサーです。この記事では、コンデンサーの役割や種類、選び方のポイントと、おすすめのコンデンサーを一覧でご紹介します。
コンデンサーとは
コンデンサー(キャパシタとも言います)とは、主にエレキギターのトーン回路で使用される電子部品です。トーン回路にコンデンサーがあることで、特定の周波数の音(高音域)を削り、ウォームな音にすることができます。
ウーマントーン
ウーマントーンとは、クラシックロックやブルースでよく知られるトーンの一種で、特にエリック・クラプトン(Eric Clapton)が1960年代にクリーム(Cream)で使用していたことで有名です。
Sunshine Of Your Love:
ウーマントーンは、オーバードライブさせたギターのトーンを絞ることで得ることが出来ますが、とてもウォームで色気のある音ですよね。
他にもジミー・ペイジなども有名です。
Led Zeppelin – The Lemon Song (Official Audio):
ここまで極端なサウンドでなくても、少し高域がきついかなというときなどに手元でトーンを絞ることでウォームな心地よいサウンド得られますので、例えばストラトキャスターやテレキャスターなどのシングルコイルのギターで、トーン10では純粋なシングルコイルの音、トーンを4~6あたりまで落とすとハムバッキングのような柔らかなサウンドも出すことも可能なのでギターの音色の幅が広がります。
コンデンサーの質
そこで問題になってくるのがコンデンサーの質です。コンデンサーの質はピンキリで、安いから悪く、高いから良いとも言えないのですが、一般的にオイルコンデンサーは質が良い場合が多いです。
「俺はトーンなんて使わないから関係ないよ!!」
という方もいらっしゃるでしょうが、トーンコントロールは全開の10にしても、回路が切り離される訳ではないので多少なりともコンデンサーの影響を受けています。
そこで、コンデンサーを良質なものに交換すると、音に艶が出たり、音が太くなったりと、音が改善する場合も多いのです。
コンデンサーの選び方
コンデンサーの種類
ギターで使用されるコンデンサーには、大きく分けてオイルペーパー、ワックスペーパー、フィルム、セラミックの4種類があります。
- オイルコンデンサー:
オイルペーパーコンデンサー(PIO:Paper-in-Oil)は、1950年代のギターにも搭載されていた古典的なタイプで、紙を誘電体とし、オイルを染み込ませた構造を持ち、オイルによって信号の滑らかさが増し、艶やかで温かみのある音質が得られます。倍音の豊かさやトーンの深みが特徴で、ギタリストなら一度は試してみたいコンデンサーです。※1950年代の Gibson レスポールに搭載された Sprague Bumblebeeは、太く甘いトーンで“ヴィンテージ・レスポール・サウンド”の代名詞となりました。
- ワックスペーパーコンデンサー:
ワックスペーパーコンデンサーは、オイルコンデンサーよりも古い歴史を持つコンデンサーで、紙を誘電体として使用し、ワックス(蝋)を染み込ませた構造を持ちます。オイルは使用されていませんが、温かみのある音色と自然な減衰が特徴で、オイルペーパーに似たヴィンテージライクなトーンが特徴です。1950年代の Fender ストラトキャスターやテレキャスターに搭載された「Phone Book Cap」と呼ばれるコンデンサーは、ワックスやオイルを含浸させたタイプのコンデンサーで、現行のレプリカ品では、当時の雰囲気を再現する目的でワックスペーパータイプが採用されています。
- フィルムコンデンサー:
フィルムコンデンサーはクリアでナチュラルな音質が特徴で、特に音質重視のギタリストに人気があります。ギターでは主に60年代以降に採用され、Sprague Black Cat、Orange Dropなどが有名です。特にポリプロピレンを使用した「Orange Drop(オレンジドロップ)」コンデンサーは、低損失でクリアな音質を持ち、高音質が売りのハイエンドギターにもよく採用されています。
- セラミックコンデンサー:
セラミックコンデンサーは、切れ味のあるシャープで乾いた音が特徴のコンデンサーです。高域特性に優れていますが、低音域での音圧が弱く感じることがあるため「薄い」と感じる場合がありますが、60年代のフェンダーストラトキャスターなど採用された、ディスク型の大型セラミックコンデンサーの明瞭でキレのあるサウンドは人気があります。

おすすめはオイルコンデンサー
コンデンサー交換といっても多くの方は何度も交換できないと思いますので、コンデンサーはオイルを選んでみましょう。ヴィンテージのコンデンサーは高いですが、現行モデルならさほど高くありません。交換には半田ごてが必要になりますが、コンデンサーには向きもないので簡単に交換できると思います。
フィルムコンデンサーの代表的なモデル「オレンジドロップ」もおすすめです。
ハンダ付けの前にワニ口クリップを用意すればコンデンサーの音質比較もできますよ。

ギターで使われるコンデンサーの値
交換の前にコンデンサーの値もチェックしましょう。

一般的にストラトキャスター、テレキャスターなどのシングル・コイルには 0.047μF(マイクロファラッド)。レスポールやSGなどハムバッキングピックアップ搭載ギターには 0.022μFが使用されることが多く(コンデンサーに47や22などの表示が大抵あるので)、同じものに交換するのが基本です。
しかし、50s~60sのヴィンテージのストラトキャスターなどには 0.1μFのコンデンサーが使われていたので交換してサウンドの違いを楽しむのも面白いと思います。
また、ハムバッキング用といわれる 0.022μFコンデンサーはこもりが少なく中域の立ち上がりが良いのでシングルコイルのギターに使用するのもおすすめです。

おすすめのコンデンサーはこちらから。
おすすめコンデンサー
Vitamin Q


まず試していただきたいのが、定番のSprague社のビタミンQタイプのオイルコンデンサーです。現在、複数のメーカーからビタミンQタイプのオイルコンデンサーが販売されていますが、ビタミンQに交換することで音が良くなったと感じるギタリストが非常に多いです。
Orange Drop

Orange Dropは、フィルムコンデンサーの定番で、特に高品質なオレンジドロップは、ハイエンドなギターにもよく採用されています。元々Sprague社が製造したこのコンデンサーは、非常に安定した性能を持ち、信頼性の高い製品として知られています。
耐圧は400Vや600Vなどさまざまな種類があり、用途に応じて選べます。一般的に、耐圧が大きいコンデンサーは、音が太くなる傾向があると言われています。
FENDER Pure Vintage CAPACITOR

FENDER Pure Vintage CAPACITORは、見た目にもこだわりたい方におすすめのコンデンサーです。これはフェンダーのAmerican Vintageシリーズに標準搭載されているものと同一のレプリカコンデンサーで、ヴィンテージ感あふれる外観とサウンドを再現します。
ラインナップは、赤(Mylarフィルム+スズ箔・コンデンサー)と白(ワックスペーパーコンデンサー)の2種類があり、それぞれ0.05μF(0.047μF)と0.1μFの値があります(0.022μFはラインナップされていません)。
- 赤は、現代的なフィルムコンデンサーと同様の構造で、クリアでタイトなトーンが特徴。安定性や耐久性に優れ、明瞭な高域を好む方に適しています。
- 白は(いわゆるオイルコンデンサー風の)ワックスペーパーコンデンサーで、ウォームでまろやかなトーンが魅力です。トーンを絞ったときの落ち方が自然で、50〜60年代のフェンダーサウンドを再現したい方に最適です。
※0.1μF(MFD)は、初期のストラトキャスターに搭載されていたコンデンサーですが、高域の減衰が強くこもりやすいため、特にこだわりがなければ、扱いやすく汎用性の高い0.05μF(0.047μF)をおすすめします。
当時の「Phone Book Cap」デザインがカッコいいですね(0.05μFは円筒状になりますがデザインは同じです)。中身はヴィンテージのレプリカコンデンサーで定評の「Luxe製」だそうです。
SONIC OIL CAPACITOR

現在、日本ではほとんど生産されなくなってしまったコンデンサですが、HGC(ヒグチ電子)のコンデンサーはほぼ唯一と言ってよい日本製のビタミンQタイプのオイルコンデンサーです。
SONICのコンデンサーは、入荷したコンデンサの容量を全数測定し、誤差2%以内のものだけを選んでパッケージングしています。
☑SONIC OC-473(シングルコイル用):
☑SONIC OC-223(ハムバッキング用):
☑SCUD オイルコンデンサー:
※SCUDブランドからも発売されています。
私のギターのほとんどに載せているコンデンサーです。ここのトーンは大好きです👍

Sozo Capacitors

SoZo Amplificationは、ギターアンプやオーディオ機器用の高品質なコンポーネントを製造しているアメリカの企業です。特に、アンプやギターのトーンに大きく影響を与えるコンデンサー(キャパシター)で高い評価を得ています。
カラーはブルーとイエローの2色で、それぞれ「0.047μF、0.022μF、0.033μF、0.1μF」などギター用に最適なコンデンサーもラインナップされています。
Sozo NextGen Blue Molded Vintage:
Blue Moldedシリーズは、FenderのVintage Tweed、Brown、Blackfaceなどに使われていたAstron、Mallory BLUE MOLDEDのキャパシタの忠実なリプレースメントとして開発されたました。Fenderフリークにおすすめのコンデンサーです。
Sozo NextGen Yellow Mustard Vintage:
SoZo社最新のチューブアンプ用キャパシタは、LAの最高のチューブアンプ設計者たちの手によって徹底的にテストされた製品群です。Vintage機材の仕様に忠実に合わせられたハンドメイド品です。Marshall, VOXフリークに特におすすめです。
参考動画:ギター教則『ヴィンテージ・トーンの作り方と鳴らし方 テレキャスター編』住友俊洋 Digest
Sozoは、ギタリストの住友俊洋氏が載せているということで知ったコンデンサーです(4:21~)。販売サイトのレビューを見てもかなりの高評価を得ています。
Jupiter Condenser

Jupiter Condenserは、ギタリストやアンプビルダーの間で非常に評判の良いアメリカ製のコンデンサーです。特に、ヴィンテージトーンを求めるユーザーに人気があり、その音質はウォームで滑らかで深みのあるトーンが得られます。
また、耐久性にも優れており、長時間使用しても音質が安定しているため、多くのハイエンドギターやアンプに採用されています。
Copper Foil Paper & Wax Capacitors:![]() |
入手可能な最高級の銅箔を使用したワックスペーパーコンデンサー。 |
Red “Astron” Style Capacitors:![]() |
1950年代のツイードアンプにも採用されたレッドアストロン・コンデンサーを再現したモデル。 |
Yellow Vintage Tone Capacitor:![]() |
1960年代のイエローアストロン・コンデンサーを再現したモデル。 |
※カラーは同じでも静電容量(μF)が異なりますので確認しましょう
RS GUITARWORKS

新進気鋭のギター工房「RS GUITARWORKS」から発売のペーパー・イン・オイルコンデンサー(PIO)です。
エポキシ・シールド&ワックス・コーティングされており、容量の許容差は600V電圧チェック上で1%です。一般的なギター用コンデンサーでは、±5~10%の許容差が多いですが、1%の製品は非常に高精度です。
RSOC15 ( .015μF )、RSOC22 ( .022μF )、RSOC47 ( .047μF )の3タイプがラインナップされています。
EMERSON CUSTOM

EMERSON CUSTOMは、2009年に米国オクラホマ州で設立されたギターパーツメーカーです。コンデンサーだけでなく、ストラトキャスターやレスポールなどの配線キットでも評判のメーカーです。
コンデンサーは 0.015μF 300V、0.022μF 300V、0.047μF 300Vの3タイプがラインナップされています。
マニアックなバンブルビーカラーはレスポールにおすすめです。
MONTREUX


MONTREUX(モントルー)は、ギターパーツやアクセサリーを手がける日本のメーカーで、高品質なリプレイスメントパーツを提供していることで知られています。
MONTREUXのコンデンサーは、1950年代後半のGibsonやFenderに装着されていたコンデンサーのレプリカ(内部は特性の似た現行フィルムコンデンサーを使用)や、未使用のデッドストック(NOS)オイルコンデンサーを内部に仕込みモールディングを施したオリジナルコンデンサー等、マニアックなモデルがラインナップされています。
-鵺- NUE DEVICE
Ovaltoneから発売の”-鵺- NUE DEVICE”は、ヴィンテージのコンデンサーを計測し、計測結果をもとに現代のパーツを複数組み合わせ、複雑に絡み合ったヴィンテージコンデンサーの劣化特性をサーキットとして再現したもの。
厳密にはコンデンサーとは呼べないのかもしれませんが、巷ではかなり話題になっています。
-鵺- NUE DEVICEのラインナップはこちら。
ROSSO:![]() |
-鵺- NUE DEVICEの基本となるモデルで、繊細な反応性と豊かな倍音、オープンなレンジ感が特徴のROSSO。 |
NERO:![]() |
ROSSO をもとに音の重心を下に移動させたモデルです。 より力強い音色をお求めの場合にベストマッチです。 3モデルの中では一番扱いやすい音色かもしれません。 |
BIANCO:![]() |
3モデルの中で最もブライトでハイスピードなモデルです。 ハイエンドなギター等で生鳴りの良さを活かしたい時におすすめです。 音の輪郭も立つサウンドです。 |
ORO:![]() |
上記3モデルよりも暖かく、スムースな傾向のサウンドの”ORO”。 ホロウボディのギターに搭載してよりメロウなサウンドを狙う、あるいはシングルコイル等のトレブリーなブリッジピックアップのサウンドを落ち着けるといった用途に最適です。 |
THE BEE MOD:![]() |
1956~1960年に代表的セットネックタイプギターに搭載されていたモデルのコンデンサー(Spragueのバンブルビーコンデンサーだと思われます)を再現したトリビュートシリーズ。 高音の喰いつきがありつつ滑らかな音色、歪ませた時の中低域の太さ、フロントピックアップでの艶とタイトさの両立等のポイントを備えています。 |
THE DIME MOD:![]() |
60年代初頭のF社のセラミックコンデンサー、通称RED DIME((SK .1X 50V))を再現したトリビュートシリーズ。 セラミックの歯切れの良さを基調にしながらもこの時代の特徴である暖かみや中域の圧縮感、滑らかさ等が再現されています。 |
SIGNATUREシリーズ:![]() |
HB(ハムバッキング用): 弦の存在感の出るトップエンドや、歪ませたときの密度感を重視してチューニングしています。P90タイプや、シングルコイルでも太い力強さを求めている場合にはおすすめです。 SC(シングルコイル用): シングルサイズハムバッカーや、低出力ハムバッカーでよりクリーンでピュアな方向性を求める場合にもおすすめです。 |
※取り付けは通常のコンデンサーをそのまま置き換えるだけ。
※-鵺-NUE DEVICEはハイインピーダンスのパッシブトーン回路専用となります。
Montreux wiring kit ワイヤリングキット

CTSポット、コンデンサー、CRL セレクタースイッチ、SWITCHCRAFTジャック、配線材などがセットになったキットです。
ストラトキャスター、テレキャスター、レスポール用が用意されています
※ミリサイズ採用のギターの場合、ピックガードなど加工が必要になります
※レスポール用キットは種類があります(ポットの長さ、抵抗値など)
まとめ
ギターのトーン回路で使われるコンデンサーは、ギターの音色に大きな影響を与える重要なパーツです。
コンデンサーの種類にはオイルペーパー、ワックスペーパー、フィルム、セラミックなどがあり、それぞれ音質の特性が異なります。特にオイルコンデンサーや高品質なフィルムコンデンサーは、艶やかで温かなトーンを得られます。
高品位なギターのサウンドを求める方は、ぜひ一度コンデンサー交換を試してみてください。
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