フライングVの魅力とその歴史 ~ 現行モデルカタログ

フライングVは、その独特なデザインと迫力あるサウンドで、個性的なギタリストたちに愛されるモデルです。本記事では、その特徴や魅力、歴史、そして現行モデルについて詳しく紹介しています。
フライングVの特徴と魅力
VシェイプがカッコいいフライングVですが、1958年にギブソン社から発売された当初はその奇抜すぎるデザインから人気が出ず、1958年~1959年の間でわずか98本の生産に終わった幻のギターです。
オリジナル・フライングV
1958~1959年に98本のみ生産されたフライングVオリジナルモデルは、コリーナ材(アフリカン・リンパウッド)を採用し、フェンダー・テレキャスターのように弦をボディー裏側から通す仕様が特徴でした。この構造により、音色は明るく、シャープでハリのあるサウンドを生み出します。
Gibson Custom Shop 1958 Korina Flying V VOS Historic Collection:
Gibson FlyingV 1958 – YouTube (動画)
使用ギタリスト:
- アンディー・パウエル(ウィッシュボーン・アッシュ)
- ジェレミー・スペンサー(フリートウッド・マック)
- ジョー・ボナマッサ
- ジョニー・ウィンター
- スティーヴン・スティルス(CSN)
- ルドルフ・シェンカー(スコーピオンズ)など
再生産フライングV
オリジナル・フライングVから7年後の1966年に発売された通称「再生産フライングV」は、ボディ材がコリーナからマホガニーに変更され、ピックガードがラージタイプになり、弦も裏通しからストップテールピースや、マエストロバイブローラー(通称・板バネアーム)になりました。
Gibson CS 1967 Mahogany Flying V with Maestro VOS:
発売当初は奇抜であったデザインも60年代になると見直され、ロックギタリストやブルースギタリストに愛用され始めます。
ヘッド形状
1966年から1970年まで生産されることになる再生産フライングVは、後に発売されるフライングVと比べると、ヘッドが鋭角で長いのが特徴です。
1971年に再々生産されるフライングVは、1966年のフライングVと基本設計は同じですが、ヘッドが丸く仕上げられ、鋭角的なヘッドのフライングVとは好みが分かれる所です。
Gibson FlyingV 1966 – YouTube (動画)
使用ギタリスト:
- アルバート・キング
- アンディー・パウエル ( ウィッシュボーン・アッシュ )
- カルロス・カバーゾ ( クワイエット・ライオット )
- キース・リチャーズ ( ローリング・ストーンズ )
- KKダウニング ( ジューダス・プリースト )
- ジミ・ヘンドリックス
- スティーヴィー・レイ・ヴォーン
- マイケル・シェンカー ( UFO、MSG )
- ルドルフ・シェンカー ( スコーピオンズ )
- 高崎晃 ( ラウドネス )
- 橘高文彦 ( 筋肉少女帯 ) など
フライングVの音
ギブソンのレスポールモデルは、ハイからローまでバランス良く出るギターですが、音に関してはどちらのフライングVも、1弦から6弦まで音のバランスが非常に良く、どの弦を弾いてもクリアに抜けるサウンドが特徴です。
再生産モデルについては、やや中域にシフトした音質が加わり、ソロやリードプレイでの存在感が際立ちます。特に、フロントピックアップの音は、レスポールに比べて低音域のブーミーさが控えめで、クリーンでも歪ませたサウンドでも扱いやすい印象があります。
UFO [ GIVE HER THE GUN ] AUDIO TRACK BBC VERSION 2:

フライングVコレクターで有名なルドルフ・シェンカーは「最高に良いフライングVの音は、ビリー・ギボンズがプレイする59年のレスポールのサウンドに近い」と評しています。

奇抜なデザインから敬遠されがちなフライングVですが、レスポールサウンドを求めるユーザーにとっても興味深い選択肢となると思います。
フライングVは実はとっても弾きやすいギター
その個性的な形状から、フライングVは「弾きにくそう」と思われがちですが、実は立っても座っても非常に弾きやすいギターです。
ハイボジションでのプレイヤビリティはもちろんのこと、椅子に浅めに腰掛けて股に挟めば(ストラップ無しでも)ギターをホールドできるので安定性は抜群ですし、はさみ方によっては、ギターを立てて弾いたり、横にして弾いたり、また高さも、低め、普通、高めなど、普通ならストラップを調整しないと無理なような弾き方も簡単に出来ます。
マイケル・シェンカーの弾き方に学ぶ:
フライングVといえばマイケル・シェンカーですが、彼の弾き方は非常に参考になります。
MICHAEL SCHENKER [ COMMENTS , RIFFS & LICKS ]:
フライングVは立っても座っても、このようにほぼ同じ姿勢で弾けるために、実は初心者にも良いのではないかと思います。機会があれば、楽器屋さん等でぜひ試奏し、その魅力を体感してみてください。
フライングVのコントロール
フライングVは、2ボリューム、1トーンのシンプルなコントロールが採用されています。2ボリュームのギターは、例えばリアピックアップのボリュームを10に設定して、フロントピックアップのボリュームを5にしておけば、セレクターを切り替えるだけで簡単にクリーンなサウンドが出せるのでライブなどの実践では大変便利です。
スイッチングトレモロ奏法:
さらに、片側のボリュームを0に設定し、トグルスイッチを素早く切り替えることで「スイッチングトレモロ奏法」が出来るのも2ボリュームのギターならではのテクニックです。
▼これはレスポールですが、2ボリュームのギターなら同じことが出来ます。
The Black Crowes Lickin’ Live:
GIBSON FLYING V 現行モデルカタログ
GIBSON FLYING Vの現行モデルをまとめてみました。各モデルには動画のリンクを貼っていますので、気になるモデルがあればサウンドを聴いてみてください。
FLYING V
新しくなったフライングVはピックガードの形状を一新し、初期のフライングVにも似たデザインが採用されています。
ピックアップはPAF系ヴィンテージ・ピックアップであるバーストバッカー2とバーストバッカー3を搭載しています。
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Gibson Flying V – YouTube (動画)
Mark Agnesi Talks About The Original Collection Flying V:
70s Flying V
従来のデザインのフライングVが好きな方はこちら。
ただしピックアップはピックガードマウントではなくエスカッションマウントになっていますので、出音はややタイトでよりロックに向いたサウンドかもしれません。
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GIBSON 70s Flying V – YouTube (動画)
No Talking…Just Tones | Gibson 70s Flying V | Antique Natural:
Custom Shop シリーズ
ギブソンのカスタムショップ・シリーズは、ヴィンテージ・ギブソンのフライングVをリアルに再現すべく、材やパーツの選定はもちろん、トーン、プレイアビリティ、ルックス面などにもとことんこだわったモデルです。
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GIBSON Custom Shop Flying V – YouTube (動画)
ギブソン カスタムショップ カーク ハメット 1979 フライング V:
EPIPHONE
ギブソンのセカンドブランド、EPIPHONE ( エピフォン )のフライングV
Flying V
初期モデルから再生産モデルまでラインナップされているエピフォンのフライングV。
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EPIPHONE Flying V – YouTube (動画)
エピフォン ジミ・ヘンドリックス “ラブ・ドロップス” フライング V:
Flying V Prophecy
高級感のあるレスポール・カスタム風のデザインがカッコいい Flying V Prophecy。
搭載されている2基のカスタム・ヴォイシングが施されたFishman Fluence Epiphone Prophecyピックアップは、ボリューム/トーン・ポットに装備されたプッシュ/プル操作により、ふくよかなPAF系ビンテージ・ハムバッカーサウンド、ホットでモダンなアクティブ・ハムバッカー・サウンド、そして煌びやかでノイズレス、わずかにオーバーワウンドされたシングルコイル・サウンドの3つのトーンを選択することが出来ます。
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EPIPHONE Flying V – YouTube (動画)
Epiphone Flying V Prophecy, Black Aged Gloss | Gear4music demo:
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