ストラトキャスターのナット交換
FENDER JAPANのストラトキャスターST62のナット交換を行いました。
ナットの高さはまだ十分に残っていたのですが、3弦のナット溝が広がってしまい、3弦が共鳴するようになってしまったから。
※共鳴とは3弦開放をミュートして弾いたときナットからストリングポストまでの音も同時に鳴ってしまう症状。直るのでしょうか?
ナット交換おすすめ動画
作業前にナット交換の動画を見てお勉強✍
ナットは先日よりCRC5-56に浸けておいた牛骨ナットを使います。
元の漂白&油分を抜いた牛骨と、今回2日ほどオイルに浸しておいた牛骨ナットの比較。
見た目はオイルがしっかりと浸透しています。
ナットを外す
まずは元のナットをギターから外します。
ナットの接着は少量の瞬間接着剤を使っていますが、瞬間接着剤は衝撃には弱いので簡単に外すことが出来ます。
詳しくは
▶ストラトキャスターのナット交換 今回はデルリン
まずはカッターナイフでナット下部に軽く切込みを入れて、細いマイナスドライバーを当てて軽く叩くと簡単に外れます。
次にナットがハマる部分の底面を綺麗にお掃除して
このストラトキャスターのナットの底面はストレートですが、一部のギターでは底面にアールが付いているものがありますが、そのようなギターには、アール付きのナットが売っていますので、自分で削るのは大変なのでそちらを買いましょう。
果たして牛骨ナットにオイルは浸透しているのか
まずは万力でナットを挟んでナットを大まかに削る作業を行いますが、少し削ってみたところ、ナット内部もしっかり飴色に変色しています。
湯煎や真空容器に入れることなく、単純にCRC5-56に2日間浸けていただけですがちゃんと浸透するんですね😀
このようにオイルを浸透させることで、作業中のナットの割れや欠けを防ぐことが出来ます。
また滑りがよくなるのでチューニングも安定するようです。
大まかに削り終わったので、次は溝切りです。
ナットの溝切り
ここから最も気を使うところ。
慎重に行います。
以前は適当にまっすぐヤスリを入れていたのですが(^^ゞ、やはり3弦の共鳴の原因?である溝の広がりはこういう適当なところもあるのかもということで、今回はこのように定規を1フレットに当てて垂直を出しながら溝を掘りました。
指板やフレットを傷つけないようにマスキングもしっかりと。
ナットの高さ調整
ナットの深さ(高さ)の目安は、"エレクトリックギター・メカニズム“によると、2フレットを押さえた状態で、1フレットとの隙間を見て僅かにあいている程度が良いとのことですが、今回は上記動画を見た上で行ったので、溝の深さは(あえて少し高めにしていますが)完璧!
そのうち馴染んでくるでしょうし、高ければ微調整を行います。
こんなものでしょうか?
とりあえずは完了です!
作業時間:約2.5時間
ナット交換は上手くいった?
音も問題ありませんし、気になっていた3弦の共鳴もなくなりました😀共鳴はやはりナット溝が広くなってしまっていたのが原因かと。
ストラトキャスターやテレキャスターなどネックに角度の付いてないギターの場合、最も角度の付けにくい3弦はシビアに調整しないとダメですね。
本当は70年代のストラトキャスターのようにストリングガイド/テンションピンを3弦にも足せばそこまでシビアに調整しなくても良いのでしょうけど、もし使っていてまた出るようなら追加しようかな??
こんなのもあるんですよ。
追記・ナットの再形成
ナットの溝の深さはうまく出来たのですが、ナット全体の高さがありすぎてかっこ悪かったので低く形成しました。
うん、やはり低いほうがカッコいい👍
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最後にギターの調整、改造のバイブル “エレクトリックギター・メカニズム“(旧版p.98)から。
ナットは図1のような形が理想で、もしシタールのような音になってしまう時は図2のようになっている場合が多いとのこと。
φ(..)メモメモ
※ナットの交換/調整は作業はシビアな作業なのでショップで行うことをおすすめしますが自分でやってみたい方は自己責任で(私は何度も失敗しています(^_^;)。
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エレクトリックギター・メカニズム
ギターの調整、改造のバイブル “エレクトリック・ギター・メカニズム" が新しくなりました
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