エレキギターの録音におすすめのマイクとマイクの選び方、良い音で録るためのマイキングのコツを解説。

マイクの種類
ギターを良い音で録るには、良いマイクとマイクの位置(マイキング)が非常に重要です。普段自宅で使っている練習用のギターアンプでも、適切なマイクとマイキングを工夫することで、プロフェッショナルな音質で録音することが可能になります。

実際、エリック・クラプトンはレコーディングで小型アンプ「チャンプ」や「ピグノーズ」を使ってレコーディングしていますし、スティーヴ・ルカサーも15Wの「プリンストン」を使ってレコーディングしています。
大きなアンプだけが良い音を出すわけではないのです。
ダイナミックマイクとコンデンサーマイク
ダイナミックマイク:
ダイナミックマイクは、最も一般的で標準的なマイクです。集音範囲は狭く、マイクを対象物に近づけて使用することで効率よく音を拾います。特徴としては、丈夫で長持ち、価格も比較的安いので、ホームレコーディングにはぴったりです。
- 代表的な機種:
楽器用にはSHURE SM57、ボーカル用にはSM58が有名です。どちらも多くのレコーディングやライブで使われている信頼性の高いモデルです。 - 短所:
コンデンサーマイクと比べると高域特性に劣り、繊細な音の収録には向いていません。
コンデンサーマイク:
コンデンサーマイクは、ダイナミックマイクとは異なり電源を必要とするマイクです。コンデンサーマイクは高域特性に優れているため、遠くの小さな音や、アコースティックギターのような繊細な音までしっかりと収録できます。また、録音ブースの空気感を捉えたい場合に、オフマイクで使用するのも効果的です。
- 用途:
アコースティックギターやストリングスなど、細やかなニュアンスを表現する場面に最適です。 - 短所:
ダイナミックマイクに比べて価格が高く、取り扱いに慎重さが求められます。また、使用する際にはファンタム電源が必要です。
ファンタム電源は、マイクケーブル(XLRケーブル)を通じてミキサーやオーディオインターフェースからマイクに供給され、別途バッテリーや電源アダプターを用意する必要がない便利な仕組みです。

※48Vが一般的ですが、一部のマイクでは24Vや9Vのファンタム電源を使用するものもあるので、マイクの仕様を確認しましょう。
指向性
指向性とは、マイクがどの方向からの音を拾うかを示す特性です。用途によって適した指向性を選ぶことで、録音の質が向上します。
単一指向性(カーディオイド):
最も一般的な指向性で、マイクを向けた方向の音を集音します。背後の音はあまり拾わないため、周囲の雑音を抑えることができます。アコースティックギターやギターアンプなど、特定の音源にフォーカスして録音する際に最適です。
全指向性(無指向性):
マイクを中心に360度すべての方向から音を拾います。そのため、野外やホール全体の音を捉える場合や、複数の音源を自然に録音したい時に適しています。音の広がりや空間の雰囲気を捉えるのに向いています。
双指向性(バイディレクショナル):
マイクの前後両方の音を集音します。インタビューや対話の録音に使われることが多く、2つの音源が向かい合っている状況で便利です。
指向性の具体例
| 全指向性 | 360°の音を集音 |
| 単一指向性:カーディオイド | 131°の範囲の音を集音 |
| 単一指向性:スーパーカーディオイド | 115°の範囲の音を集音 |
| 単一指向性:ハイパーカーディオイド | 105°の範囲の音を集音 |
ギターの録音方法
オンマイク:
対象物に近づけて集音する方法です。ギターアンプやボーカルなど、直接的で力強い音を収録したいときに使われます。オンマイクの距離感を調整することで、音の密度や迫力をコントロールすることが可能です。
オフマイク:
対象物から離して集音する方法です。楽器全体の響きや部屋の空間感を活かしたい場合に使われます。特にアコースティック楽器の自然な音の広がりを録音する際に有効です。
エレキギターのマイキング:
エレキギター音を拾うにはスピーカーの前にマイクをセットしますが、ダイナミックマイクの場合はマイクをスピーカーグリルに近づて集音します。スピーカーのどの部分の音を狙うかによっても音が変わりますが、スピーカーの中心を狙うと、高域成分が強いライン録音のような音になります。一方、中心からずらすにつれて高域成分が弱くなり、実際に耳にするギターアンプらしいサウンドを得ることができます。
正解はありませんので、色々試してみることが大切です。一般的には、スピーカーの中心から少しずらした部分やエッジ部分を狙うのが良いとされています。
参考動画:AUDIX: ギターアンプのマイキングテクニック:
比較:楽器用マイクロホン (PG57, SM57, BETA 57A):
アコースティックギターのマイキング:
アコースティックギターのマイキングは奥が深いテーマで、一概には説明できませんが、一般的にはサウンドホールにマイクを向けるのではなく、サウンドホールから少しずらしたネックエンド部分を狙うのが良いとされています。これは、サウンドホール部分の低域の被りを避けるためです。
以下の動画でマイクの位置に注目してみてください。ピエゾピックアップとは異なる本物のアコースティックな鳴りが素晴らしいです。また、マイクによる音の違いも聴くことができ、力強いサウンドのダイナミックマイクの音も非常に魅力的だということがよく分かります。
参考動画:Acoustic Guitar Mic Shootout | Tom Strahle | Pro Guitar Secrets:
マイキングは試行錯誤の過程でもあるので、自分の耳で確かめながら様々な方法を試してみることをお勧めします。
楽器用マイクとボーカル用マイクの使い分け:
当サイトでは楽器用、ボーカル用と便宜上分類していますが、例えばボーカル用でも楽器の録音は可能です。
ボーカル用マイクには、息の音(ポップノイズ)を抑えるための グリルボール/ウィンドスクリーンが付いていることが多いですが、これらを取り外すことで、よりクリアな集音が可能になります。

逆に、楽器用マイクでボーカルを録音する場合は、ポップガードをマイクの前に設置することで、ポップノイズを防ぎながらクリーンなボーカルを録音することができます。

おすすめのマイクはこちらから。
おすすめダイナミックマイク
ダイナミックマイクは、丈夫で長持ち、価格も比較的安いので、ホームレコーディングにはぴったりのマイクです。
✅楽器用
SHURE Nexadyne

Nexadyneシリーズは、プロ仕様のライブ演奏向けマイクシリーズで、Revonic デュアルエンジン(dual-engine)トランスデューサー技術により、優れた指向性と、不要なノイズやハンドリングノイズを劇的に低減する機能を持っています。また、長時間の使用にも耐える品質で、ステージ環境に最適です。

Nexadyne 5
ラインナップ
- Nexadyne 8/C:
ボーカル用に最適なカーディオイド・ダイナミックマイクロホン。正面からの音を広く拾い、軸外音(横・背後)を自然に排除します。 - Nexadyne8/S:
ボーカル用に最適なスーパーカーディオイド・ダイナミックマイクロホン。より指向性が強く、ステージの環境音や他の楽器の音をさらに抑えたい場合に最適です。 - Nexadyne 5:
ギターアンプの集音に最適なスーパーカーディオイド・ダイナミックマイクロホン。 - Nexadyne 6:
タム/スネアの集音に最適なスーパーカーディオイド・ダイナミックマイクロホン。 - Nexadyne 2:
ベースギターやキックドラムの集音に最適なスーパーカーディオイド・ダイナミックマイクロホン。
アコースティックギター、エレキギター、ベースギターをプロのようにマイクで拾う方法:
コメント:
Nexadyne 5はギターアンプの集音に最適化されたマイクですが、音質もさることながら、アンプの前にセットしても場所を取らない形状が素晴らしいです。
■ メーカーサイト
SHURE SM57

楽器用マイクとして定番のSHURE SM57は、その高い音質と耐久性から多くのミュージシャンやエンジニアに愛用されています。
主な特徴
- 優れた音質:中域が強調されたクリアな音質で、ギターやドラムなどの楽器のニュアンスを的確に捉えます。
- 耐久性:頑丈な構造で、ライブパフォーマンスやスタジオ録音の厳しい環境にも耐えることができます。
- 多用途:楽器だけでなく、ボーカル収音にも対応。特にライブでの使用にも適しています。
- 指向性:カーディオイド指向性を持ち、周囲のノイズを抑えつつ、対象音源をしっかりと収音します。
指向性:カーディオイド
コメント:
私も宅録用で使用していますが、小さな音でも輪郭がはっきり出てオケとミックスしてもぼやけることがありません。
ギターの中音域を綺麗に再生しれくれる定番のマイクです、迷ったらコレ!
■ メーカーサイト
SHURE BETA57A

SHURE BETA57Aは、57シリーズの最上位モデルです。SM57よりもレンジが広く、バランスの良さが特徴で、楽器はもちろん、ボーカル用として使われることも多いマイクです。
指向性:スーパーカーディオイド
歌も楽器もこれ一本でという宅録派におすすめ!
■ メーカーサイト
SHURE PGA57

SHURE PGA57は、57シリーズのコストパフォーマンスモデルです。
指向性:カーディオイド
上位機種に負けない再生能力を発揮します。
■ メーカーサイト
AKG P4

AKG P4は、コンパクトで設置の自由度が高い楽器用マイクロホンです。ドラム・パーカッション、ギター/ベースアンプ用などに最適です。
指向性:カーディオイド
■ メーカーサイト
✅ボーカル用
SHURE SM58

SHURE SM58は、ライブパフォーマンスやスタジオレコーディングでのボーカル収音のために生まれた、プロ仕様の単一指向性 (カーディオイド) ダイナミック型ボーカル・マイクロホンです。
SM58は、耐久性の高い構造、実績のあるショック・マウント・システム、スチール製メッシュ・グリルの採用により、どんなに激しい動きにも動じることなく、屋内/屋外を問わない安定したパフォーマンスを提供します。
SM58はスイッチ有りとスイッチ無しのモデルが選択頂けます。
指向性:カーディオイド
ウィンドスクリーンがしっかりしている為、低域の再生能力に優れています>楽器用としては外して使っても良いかもしれません。
■ メーカーサイト
AKG D5

AKG D5は、パワフルで明瞭な音質を実現するライブボーカル用マイクです。
指向性:スーパーカーディオイド
■ メーカーサイト
SENNHEISER MD421

SHURE SM57と並び、楽器、ボーカル用マイクとして定番のSENNHEISER ( ゼンハイザー ) / MD421。
その優れた音質とカーディオイド特性を活用して、ボーカルやドラム、管楽器と様々な音源に対してスムーズなサウンドを提供します。
指向性:カーディオイド
■ メーカーサイト
ダイナミックマイク その他
おすすめコンデンサーマイク
コンデンサーマイクは高域特性に優れているため、遠くの小さな音や、アコースティックギターのような繊細な音までしっかりと収音できるマイクです。
✅楽器用
SHURE SM4

SM4は、ホームレコーディングに最適化されたオールメタル構造の洗練された薄型デザインのコンデンサーマイクです。

1インチ・デュアルダイアフラム(真鍮)カプセル を採用し、低域のコントロール性と滑らかで詳細な高域再現を実現します 。
また、特許出願中の干渉シールド技術により、スマートフォン、PC、Wi-Fiルーターなどのワイヤレスデバイスからの不要なRFノイズをブロックし、内蔵のポップフィルターによりポップノイズを最小限に抑えます。
指向性:カーディオイド
アコースティックギター、エレキギター、ベースギターをプロのようにマイクで拾う方法:
この美しいアコースティックギターの音色!空気感もしっかり集音するならコンデンサーマイクですね!
■ メーカーサイト
SHURE KSM32

SHURE KSM32は、より自然な音質を再現する、高品位コンデンサーマイクです。ボーカル、アコースティック楽器から、音圧の高いドラム、パーカッションのオーバーヘッド・マイキング、ギターアンプまで幅広く対応します。
指向性:カーディオイド
■ メーカーサイト
AKG C414

C414 XLSは、歴代のC414の中で最も評価が高いC414B ULSの音質を忠実に再現。極めてフラットな特性で、原音の微細なニュアンスもありのままに収音します。ボーカルはもちろん、ドラムのアンビエントやパーカッション等、あらゆる用途で使用可能です。
C414の前身となる「C12」の特性を踏襲し、4kHz以上が持ち上がったハイ上がりの特性により、原音の魅力を高める煌びやかなサウンドを出力するC414 XLIIも人気です。
癖のない音質で、ボーカルやギター、管楽器、ピアノなど、様々な音源に使用可能。
指向性:9段階切替式(無指向性/ ワイドカーディオイド/ カーディオイド/ ハイパーカーディオイド/ 双指向性と各々の間)
■ メーカーサイト
AKG C314

AKG C314は、C414 XLSと同一のダイヤフラムを備え、微細なニュアンスも余すことなく収音します。2枚のダイヤフラムを近接して平行に配置したデュアル・ダイヤフラム構成により、近接効果の影響を最小限に抑制します。
全帯域でクリアな音質を持ったマイクです。
指向性:カーディオイド/スーパーカーディオイド/無指向性/双指向性の4段階切り替え可能。
■ メーカーサイト
AKG C214

AKG C214は、C414 XL IIの音質を受け継ぐハイコストパフォーマンス・モデルです。4kHz以上が持ち上がったハイ上がりの特性により、他の音源よりも際立たせたいパートに最適です。
- 最大音圧レベルは136dBに達し音圧の高い音源にも対応。
- 20dBのパッド装備。
- ショックマウントが付属。
- ローカットフィルター装備。
- 厳密にマッチングを行ったステレオペア(C214/ST)も用意されています。
指向性:カーディオイド
■ メーカーサイト
AKG C451B
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AKG C451Bは、優れた音響性能と高い耐久性を兼ね備えた楽器用マイクロホンの世界標準モデルです。最大音圧レベルは135dBに達し、音圧の高い楽器もクリアに収音できます。
また、3段階切り替え式のパッドを装備しており、さまざまな音源に対応可能です。
指向性:カーディオイド
■ メーカーサイト
AKG C1000S

AKG C1000Sは、電池駆動に対応した、使う場所を選ばないスティックタイプです。
主な特徴
電池駆動:
スティックタイプのマイクは、単3形アルカリ乾電池または単3形ニッケル水素充電池2本で最大120時間駆動可能。使用場所を選ばず、便利です。
LEDインジケーター搭載:
電池残量が45分以下になると点灯するLEDを搭載しているため、安心して使用できます。
音質向上機能:
- プレゼンス・ブースター: アナウンスの明瞭度を高めます。
- 指向特性アダプター: ハイパーカーディオイドに変換するアダプターが付属。
ノイズ対策:
ローカットフィルターを備えており、クリアな音質を実現します。-10dBのパッドを搭載し、高音圧の音源もクリアに収音可能です。
指向性: カーディオイド/ハイパーカーディオイド
■ メーカーサイト
NEUMANN U67

NEUMANN U67は、1960年から1971年まで販売されていたU67を当時の仕様のまま復刻したモデルです。
- クラシックな真空管回路と平衡型トランス
- 3 つの 極性パターンのバランスのとれたサウンド
- 細心の注意を払いオリジナルの仕様を再現
- ドイツで手作りされたヴィンテージケース
指向性:無指向性、カーディオイド、双指向性
指向性は3つの極性パターンにおいて基本的にリニアな応答特性を持っているため、U 67 は弦楽器や木管楽器、金管楽器、ピアノ、ドラム、アコースティックギター、エレキギター、ベースギター、アップライトベースなど、あらゆる楽器に対応した非常に汎用性の高いマイクロフォンでもあります。
EF86チューブ採用

■ メーカーサイト
NEUMANN U87Ai

コンデンサーマイクの定番NEUMANN ( ノイマン ) U87。
指向性切替式(無指向性、双指向性、単一指向性)で一本あれば様々なレコーディングに対応します。

指向性:無指向性、カーディオイド、双指向性
■ メーカーサイト
NEUMANN TLM102

TLM102は、Neumannの新時代のコンデンサマイクです。
小型ながら耐圧144dBを誇り、 パーカッション、ドラム、アンプなど騒々しいサウンドソースのレコーディングにも耐えうる性能を持っている単一指向性(カーディオイド)マイクです。
またスピーチなど音圧のないものにおいてもの6kHz以上をわずかにブーストすることで埋もれることはありません。
ノイマンは高いという思い込みがありましたが、ノイマンのコンデンサーマイクでこの値段なら自宅レコーディング用としてもなんとか買えます!
■ メーカーサイト
✅ボーカル用
SHURE BETA87A

SHURE BETA87Aは、ライブでもスタジオクオリティーを発揮する、高品位ボーカル用コンデンサーマイクロホンです。
指向性:スーパーカーディオイド
■ メーカーサイト
AKG C5

AKG C5は、豊かで力強いサウンドがボーカルを引き立てるライブボーカル用コンデンサーマイクロホン。
指向性:スーパーカーディオイド
■ メーカーサイト
コンデンサーマイク その他
オプション
SHURE MVX2u

MVX2Uデジタルオーディオインターフェースは、XLR接続のマイクをUSBでPCに簡単に直接接続できます。
さまざまなダイナミックマイクやコンデンサーマイクに対応し、レコーディングやストリーミングを始めることができるコンパクトUSBデバイスです。
無料の ShurePlus MOTIVデスクトップアプリを使用すると、内蔵されたDSP機能でゲインやEQ、3段階の調整可能なリミッター・コンプレッサーなどがリアルタイムでコントロールできるようになります。
■ メーカーサイト
マイクスタンド
AUDIX CabGrabber

AUDIX CabGrabberはキャビネットに取り付けるマイクスタンド。
面倒なマイキングもAUDIX CabGrabberで常時セットしておけばいつでも録音可能です。
その他 マイク周辺機器
マイクケーブル:
マイクスタンド:
マイクホルダー:
まとめ
ギターを良い音で録音するには、マイクの種類や指向性、設置位置などが非常に重要です。ダイナミックマイクは丈夫で扱いやすく、エレキギターのアンプ録音に最適。コンデンサーマイクは高域特性に優れ、アコースティックギターや細やかなニュアンスの収録に向いています。
また、オンマイク・オフマイクの使い分けやスピーカーやサウンドホールのどの位置を狙うかでも音は大きく変わります。用途や録音環境に応じてさまざまな方法を試し、自分の耳で確認することで、理想のギターサウンドを収録することができます。
ぜひ一度お試しください。


