
SGのピックアップカバーを外して出音をクリアでエッジの効いたサウンドに調整
ピックアップ交換せずにSGの音を改善!ピックアップカバーを外して、音抜け・トーンの変化を体感しよう。
出音が丸いSGの音を何とかしたい
私が現在最も好きなギターはGIBSON SGです。
SGはハイポジションが弾きやすいし、ミディアムスケールなので手の小さな私でも結構楽に弾けるし、サウンドはレスポールのような太く甘い音からボリュームを絞ればストラトキャスターのようなシングルコイルっぽい音も出せます。
しかし、SGはマホガニーという柔らかい木材を使っていて、ボディーも薄いからでしょうか?レスポールと比べると出音がペラペラで、かつ丸い音なのでちょっと不満です。
※あくまでも同じ設定で弾いたときの話です。
レスポールは重いし、座って弾くにはバランス悪いし、ハイポジションは弾きにくいしで、メインにするには欠点も多いギターなのですが、こと音に関しては完璧で、「ふくよかでありつつも艷やかでエッジの効いた音」はとても魅力的なんですよね。
私のSGは、レスポールに近づけようと様々な改造が施されていますが、まだやっていないものが1つありました!!
SG改造の極意 – 究極のトーンとプレイアビリティを目指すカスタム術
それはピックアップまわりの改造です。
ピックアップカバーの有無で音が変わる?ピックアップ交換せずにSGのトーン改善する方法
音に不満があればピックアップ交換は最も効果的な方法で、PAF系と呼ばれるクラシカルなピックアップからハイゲインなものに変えることで、簡単に出音のアップデートを行うことが出来ますが、現在付いているPAF系ピックアップである、セイモアダンカン製「Seth Lover model ( SH-55 )」は私のお気に入りのピックアップなので、できれば変えたくない!!
Seymour Duncan SH-55 Seth Lover model
Seymour Duncan SH-55 Seth Lover modelとは、ギブソンのオリジナルピックアップ(PAF)の開発者であるセス・ラバー氏とダンカン氏がタッグを組んで作成した「PAF系」ピックアップです。
オリジナルの1955年製PAFと同じくニッケルシルバー(ジャーマンシルバー)のプレート、プレーンエナメルワイヤー、アルニコ2マグネット、木製のスペーサーなど素材にも拘っています。
ピックアップカバーは自然なハイエンドを損なわないように、ニッケルシルバー(ジャーマンシルバー)を採用しています。 また、オリジナルのトーンに拘ったため、あえて含侵処理を施していません。
※私のSH-55 Seth Lover modelは購入時から含侵処理されていました。
- 直流抵抗値:Neck: 7.20K、Bridge: 8.10K
- マグネット:アルニコ 2
SEYMOUR DUNCAN SH-55 – YouTube (動画)
で、どうするかというと、ピックアップカバーを外すことです。
ピックアップカバーの意味
まずピックアップカバーとは何かといいますと、単なる飾りではなく、ちゃんと意味があるのです。ピックアップのコイル(ワイヤー)やボビンの保護のという役割もありますが、メタル製カバーは外来ノイズを防止する「電磁シールド」としての効果があります。
メタル製のピックアップカバーを付けることで、外部の電磁ノイズ(テレビ、蛍光灯、無線信号など)からピックアップを守り、ハムノイズを低減する効果があるんですね。
その反面、デメリットというのでしょうか?ピックアップカバーがあることで、高音域がわずかに損なわれ音が若干マイルドにります(ヴィンテージのPAFで使用されるメタルカバーは高音域を損ないにくいニッケルシルバー/ジャーマンシルバーが標準です)。
過去にレスポールのピックアップカバーを外してみたことがありますが、やはりピックアップカバーの有無でかなり音が変わりました。
エスカッション、ピックガード、ピックアップカバーの交換 – レスポールをとことんいじる
レスポールは、カバーがあったほうが好みであったために元に戻したのですが、そのレスポールと、このSGを比較すると、SGはギター自体が丸いエッジのない音なので今回、このSGのカバーを外してみようと思ったわけです。
ピックアップカバーの外し方
ピックアップカバーはピックアップの土台にハンダ付けされているだけなので、ハンダを除去するだけで簡単に外すことが出来ますが、ハウリング防止でワックスポッティング(含侵処理)されているピックアップの場合、ワックスと溶けてしまうので素早い作業が必要です。といっても溶けてしまってもすぐに固まりますが。
ということで早速実行!!
スポンジはハウリング防止と、音をタイトにする目的で入れています。
ピックアップカバーはピックアップの土台にハンダで留めてあるだけなので、ハンダごてとハンダ吸い取り線があれば簡単に外すことが出来ます。
ピックアップカバーを外してみると、まさかのダブルクリーム!!黒だとばかり思っていたので、見た目もカッコいいしこれは嬉しい!
注釈:
ギブソンのオリジナル「PAFピックアップ」のボビンは黒が標準ですが、黒が入手できなかったときは白(クリーム)を使ったこともあるとのことで、黒一色やダブルクリーム、ゼブラカラーのボビンが存在します。

しかしピックアップのボビンのカラー「ダブルクリーム」はディマジオが商標登録していまい、PAFピックアップを作った本家ギブソンを含め、許可なし(使用料を支払うことなし)ではそのカラーを使うことは出来ません。
2025年06月の現在のディマジオのサイトでもしっかりダブルクリームの商標を主張しています!

確かにサウンドハウスでピックアップ+クリームで検索しても出てくるのはディマジオのみ(セブラは他社製もありますが)。
ということはセイモアダンカン製のピックアップでダブルクリームは貴重なのですかね。確かにカバー内の見えない部分ではありますが。
※Seymour Duncan SH-55 Seth Lover modelの発売年は1994年とのことなのでそんなに古いピックアップではありません。
2つのボビンにテープは巻いてありますが、はじめからオープンなハムバッカーのように、全体にテープが巻いてありませんので、アセテートテープも買って巻いたほうが良いかも知れません。
ピックアップカバーを外した後の音質変化をレビュー
新たに弦を張って組んでみると、出音がクリアになり、レスポールのリアのような「ギャリ」としたエッジの効いた音が出るようになりました!
このSGに関しては、カバー無しのほうが好みです!
まとめ
ピックアップカバーを外すと出音がクリアになります。ただしこれは好みもあるでしょうし、必ずしも良い結果が得られるというものでありませんが、このSGに関しては大正解です!!
また、今回ピックアップカバーを外してはじめて分かったのですが、ボビンのカラーがまさかのダブルクリームであったこと!!黒を想像していたので、この色が出てきたときは驚きましたね!
結果、私のSGにさらなる個性を加えることが出来、嬉しいです!
ちなみに、カバーを外したからといってノイスが増えるということもないので興味のある方は安心して作業してみて下さい。
音が気に入らなければまたカバーを取り付ければ良いだけなので。
使うのはハンダごてと、ハンダ吸い取り線もあれば便利ですかね。
フロントピックアップもダブルクリームでした!
フロントピックアップの音に関しては特に不満はなかったのですが、ボビンの色が気になり外してみたところ、やはりダブルクリームでした!!
希少?Seymour Duncan SH-55 Seth Loverモデルのピックアップカバーを外してみたら…まさかの「ダブルクリーム」だった!
やはりフロントとリアでバランスを取るには両方外したほうが良いですね!より音がクリアになりました!!
今回はピックアップカバーを外しましたが、逆に、ピックアップカバーを付けて出音をマイルドにする事もできますよ!
音とは全く関係ないけど、ダンカンに比べ(手持ちの)ディマジオはボビンのエッジが丸いのでよく見るとあまり格好よくないね。
ピックアップ選びは見た目も大切ですよね。#ピックアップ pic.twitter.com/N81MH3cNUi
— ギター改造ネット (@guitar_kaizou) June 14, 2025
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