レスポールの配線は50sとモダン、どちらがおすすめ?音の違いや使いやすさを解説します!

レスポールの配線は50sとモダン、どちらがおすすめ?音の違いや使いやすさを解説します!

レスポール,SG

レスポールやSGなど、2ボリューム・2トーンのギターには「50s配線」と「モダン配線」という代表的な配線方式があります。どちらが優れているかは好みによりますが、操作性や実用性の面ではモダン配線に軍配です!詳しく見てみましょう。


この記事はギター改造歴25年の Tsune@TGプランニング が執筆・監修しています。

レスポールの配線には種類がある

ギブソンのギターには2ボリューム、2トーン、2ボリューム、1トーンなどいろいろありますが、これらの配線には種類があるのをご存知でしょうか。

代表的なものを上げると50s配線と、モダン配線の2種類が特に有名です。

 

50s配線とモダン配線の違いとは?

50sは名前の通り、レスポールが発売された1950年代当時の配線で、モダンは60年代以降の配線になります。

GIBSON系 2ボリューム2トーン 50s style wiring(50s配線)

GIBSON系 2ボリューム2トーン Typically Stock(モダン配線)

50sは、トーンポテンショメータ(ポット)の外側のラグが 0.022uf のコンデンサを介してボリューム ポテンショメータ(ポット)の中央のラグに接続されていて、モダンは、トーンポテンショメータ(ポット)の中央のラグが 0.022uf のコンデンサを介してボリューム ポテンショメータ(ポット)の外側のラグに接続されている点です。

各配線の特徴

私の手持ちのギターで言うと、SGは50sで、レスポールはモダン配線で、図を見ていただければわかりますが、ほんの僅かな違いなのですが、サウンドはかなり違います。

50s配線

  • ボリュームを絞っても高域が残りやすく、クリーントーンでも輪郭が失われにくい
  • トーンノブの効きがボリューム位置に影響されやすい(例:ボリュームを下げた状態でトーンを絞ると、音がスーッと消えるように減衰)
  • モダン配線と比べると「ややクセがある」

モダン配線

  • ボリュームを絞ると高域も一緒に落ちるので、クリーントーンが自然に丸くなる
  • 操作が直感的で扱いやすく、現代的なプレイスタイルと相性が良い
  • トーンノブの効き方も安定していて予測しやすい

使用感の比較

ギターのボリュームは常にフルで、音量や歪みはボリュームペダルやエフェクターで行う!という方はどちらでも良いのですが、ギターのボリュームで音量と歪みをコントロールする場合、使用感がかなり違ってきます。

60年代や70年代のギタリストがよくやっていた、ギター側のボリュームを下げて歪みをコントロールする用途で使用する場合、50s配線の場合、音量がスムーズに落ちるために、クリーンにパンチがなくなったように感じます

一方、モダン配線は、ボリュームを絞ると、ややこもりながら音量と歪みが減るので、丸みのある扱いやすいクリーンが得られます

 

実際に試してみるとわかりますが、50s配線は、テレキャスターにハイパスフィルター(ハイパスコンデンサ)を付けたときのような音と言えば分かりやすいでしょうか。

テレキャスターのハイパスフィルター

ハイパスフィルター(ハイパスコンデンサ)とは、ボリュームを絞った時に減衰してしまう高域の劣化を防ぐ ( ボリュームを絞っても高音が残る様になる )ためのコンデンサ/キャパシタで、音量を絞りつつ、ジャキジャキした音を残したい場合には有効な手段ですが、音量を絞ってクリーンな音を出す用途では、クリーンが弱々しくなってしまいます。

テレキャスターの音を太くする SONIC TURBO SWITCH レビュー

ギブソンがモダン配線に変えた理由

ギブソンがなぜ、60年代になって50sからモダンに配線を変えたのかの理由は不明ですが、おそらく、ボリュームを絞って歪みをコントロールしていた当時のギタリストの要望に答えるためだったのではないでしょうか。

ジョー・ボナマッサがボリュームやトーンの使い方を解説:

Joe Bonamassa's Gibson Les Paul tone tips guitar lesson

このギターがどのような配線なのかは不明ですが、ギターのボリュームやトーンを絞り、歪みをコントロールする使い方では、50sよりはモダン配線のほうが扱いやすいと思います。

配線を見ずに確認する方法

ボリュームを下げてクリーンにした状態で、トーンを絞っていくと音がスッと消えていくなら、それは50s配線の可能性があります。自然にトーンが効くならモダン配線になります。

レスポールのボリュームとトーンコントロール

まとめ

ギブソンの配線には年代毎に色々なものがあります。代表的なものが、50s配線とモダン配線ですが、ギターのボリュームで歪みをコントロールしたい(上記のような)昔ながらのギタリストには、(好みにもよりますが)モダン配線をおすすめします。

 

私のSG ’61 Reissue も、50sからモダン配線に変え、サウンドと使いやすさが向上しました。

SG '61 Reissue も、サウンドと扱いやすさを考慮し、50sからモダン配線に変えました①

 

SG '61 Reissue も、サウンドと扱いやすさを考慮し、50sからモダン配線に変えました②

トーンポットのアースの位置と、コンデンサの接続位置を変える必要があるので、多少の手間はかかりますが、使いやすさを考えるなら50sよりはモダン配線だと思います。是非試してみて下さい!!

こちらの動画も参考になりますよ!

Bare Knuckle Guide to ’50s vs Modern Wiring:

Bare Knuckle Guide to '50s vs Modern Wiring

ギターの配線はこちらでも紹介しています:

ObsidianWireから発売のレスポール用ワイヤリングキット

ObsidianWire Vintage MKII for Les Paul
ワイヤリングキットでおなじみの ObsidianWireからレスポールの50sと60s(モダン)の配線をスイッチで切り替え可能なワイヤリングキットが発売されています。ハンダ作業や各パーツの組み込みの手間がなく、簡単に機器のアップデートが可能です。

ObsidianWire Vintage MKII for Les Paul

※ポットはロングシャフトになります。

 

こちらで購入できます

メーカーサイト

関連記事

レスポール,SG

Posted by Tsune