エレキギターのネックやボディに施される塗装は、見た目の美しさだけでなく音にも影響を与えます。特に「極厚塗装」は木材の振動を妨げ、音の抜けや響きを悪くする原因にもなります。
今回は、私が愛用する Crews Bottom’s UP のネックに施された極厚塗装を薄くすることで、音質がどう変わるのかを検証してみました。

※本記事はあくまで個人の体験記です。作業は保証失効や破損のリスクがあるため、自己責任でお願いします。
今回の実験対象「Crews Bottom’s UP」
久しぶりのギターいじりです。ここのところギブソン系ばかり弾いていましたが、ストラト系は音作りの幅が広く、1本あると便利。特にこの Crews Bottom’s UP は HSH配列で、ギブソン系の太いサウンドからストラトらしい繊細なトーンまでこなせる万能モデルです。
ただし問題は、ネックの極厚塗装。弾き込んでもなかなか自然には剥げず、木の振動が伝わりにくいややこもった音が気に入りませんでした。
極厚塗装が音質に与える影響
ギターは弦振動が木材全体に伝わることで響きや倍音が生まれます。しかし、塗装が極端に厚いと木材の共振が抑えられ、高域の抜けや倍音成分が減少し、結果として、音がこもったように感じられることがあります。
一方、ラッカー塗装は塗膜が薄く硬いため、木材の振動を阻害しにくく、経年で塗膜が痩せることでさらに木の響きに近づきます(ただしクラックやウェザーチェックと呼ばれるヒビが入ることもあります)。
ネック塗装剥がしの手順
今回は音抜け改善のテストが目的なので、仕上げは気にせず短時間で行いました。手順としては。
- 金属製の定規で塗装を大まかに削る
- 紙やすりで軽く整える
これだけ!作業時間は約1時間弱、指板側は今回は未施工です。



実際の音の変化
作業後、同じ弦を張ったまま試奏したところ、音抜けが明らかに改善しました。
メイプルネック特有の、キラキラ、ペチペチした高域成分が増え、コードの分離感も向上しました。
ただし今回は、指板側は何もしていないので効果は半分といったところです。追々やるか、弾き込んで剥がれるのを待つか、フレットも減ってきているので、フレット交換時に塗装を薄くするかですかね。

まとめと注意点
今回の検証で、塗装を薄くすることで音抜けが改善する可能性が高いことを実感しました。ヴィンテージギターの音が良いと言われる理由は、木材の質が当時と今では違うというのもあるでしょうが、塗装の薄さ(痩せ)も大いに関係あるのだと思います。
この方法は、皆さんにおすすめするわけではありませんが、塗装を薄くすると、音質は良くなる場合が多いということは覚えていたほうが良いと思います。
ご自分のギターで行う場合、以下のリスクがあることを十分承知した上で行ってください。
- 新品のギターの場合、メーカー保証が受けられなくなります
- 塗装を剥ぐことで、木材の保護力が低下し、ネックが反るリスクがあります(特にメイプル以外のマホガニーネックなど)
今回のこのギターはメイプルネックですし、塗装を薄くしただけで全て剥いだわけではないのでリスクはほぼないと思いますが、完全に剥いだ場合は、ステインによる着色(色合わせ)と、仕上げにクリアを吹いておくと安心です。
詳しくはこちらでも紹介しています。

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