前回に続き、某スプリングメーカー様より新たにご提供いただいた「開発中のトレモロスプリング6種類」をレビューしてみたいと思います。

前回のレビューはこちらから。
トレモロスプリング比較レビュー|某スプリングメーカー提供の試作品5種類を弾き比べ!
※今回ご紹介するトレモロスプリングは、開発中の製品ということで、社名等の情報は控えさせていただきます。
某スプリングメーカーのトレモロスプリングレビュー第二弾!
某スプリングメーカーから新たに提供いただいたトレモロスプリングのテスト第二弾です!
前回テストさせていただいた、某スプリングメーカーのトレモロスプリングが思いのほかよく、手持ちのストラトキャスターのほとんどに載せて使っていたのですが、新たに6種類ご提供いただきました。

一体どんな音するのでしょうか。
6種類のトレモロスプリング詳細データ
SP07-Cerberus

- 材質:SUS304
- 材料径:1.40mm
- コイル外径:9.00-13.15mm
- 自由長:57.50mm
- コイル巻数:30.5巻
- 重量:11.70g
SP08-Boa

- 材質:SUS304
- 材料径:1.40mm
- コイル外径:7.35-11.90mm
- 自由長:64.80mm
- コイル巻数:34.5巻
- 重量:10.12g
SP10-honest

- 材質:SWIC-F
- 材料径:1.50mm
- コイル外径:9.00mm
- 自由長:64.70mm
- コイル巻数:31.5巻
- 重量:11.03g

SP11-unsung

- 材質:SWIC-F
- 材料径:1.20mm
- コイル外径:9.40mm
- 自由長:60.30mm
- コイル巻数:36.5巻
- 重量:8.67g
SP12-fragile

- 材質:SUS316
- 材料径:1.20mm
- コイル外径:7.60-9.10mm
- 自由長:59.80mm
- コイル巻数:36.5巻
- 重量:7.69g
ASP01-moon

- 材質:C5191-H
- 材料径:1.20mm
- コイル外径:7.10-9.50mm
- 自由長:65.80mm
- コイル巻数:34.5巻
- 重量:8.36g
トレモロスプリングレビュー
前回は、主に2種類のストラトキャスターで試してみましたが、トレモロスプリングはギターによってかなり印象が変わるので、今回は、手持ちのストラトキャスターを少し増やして弾き比べてみました。
汎用スプリング

以下のスプリングと比較すると、音が固く平坦。弾いていて面白くない。
SP07-Cerberus

| 項目 | 音の印象 |
|---|---|
| 生音 | 見た目からどんな音がするのかと期待が大きかったが、意外と普通でした。汎用のスプリングと比較すると、キラキラし、よく響くが、音は硬め。 |
| アンプを通した音 | 生音同様、キラキラしているが、音は固め。 |
*キャビティー内の接触や裏蓋が閉まらないなどの問題はなさそうです。
SP08-Boa

| 項目 | 音の印象 |
|---|---|
| 生音 | よく響き、柔らかな音。スプリングの鳴りは控えめ |
| アンプを通した音 | 汎用スプリングに近いが、音に立体感があり、キラキラ感がある。 |
SP10-honest

| 項目 | 音の印象 |
|---|---|
| 生音 | SP08-Boaより大人しめ。汎用スプリングに近いが、倍音とキラキラした音はかなりある。 |
| アンプを通した音 | キラキラ成分がかなりある、パワフルだがふくよかさは少なめ。 |
*Wilkinson VS100Nトレモロのブロックにはスプリング径の問題で装着できず(VS100N純正のブロックは問題ない)。
SP11-unsung

| 項目 | 音の印象 |
|---|---|
| 生音 | バネが柔らかい。音はSP10-honestに近い。音に深みがある。ややプレーン弦に硬さを感じる。 |
| アンプを通した音 | 立体的な音、柔らかさとキラキラの両立。SP12-fragileと似た音 |
SP12-fragile

| 項目 | 音の印象 |
|---|---|
| 生音 | 元気でキラキラ感がかなり増し、歯切れのよい音。音はやや固め |
| アンプを通した音 | 立体的な音、柔らかさとキラキラの両立。SP11-unsungと似た音 |
ASP01-moon

| 項目 | 音の印象 |
|---|---|
| 生音 | 補助スプリング(Assist Spring)はかなり良い、硬く感じる音にプラスすることで、倍音など柔らかさが付加される。 |
| アンプを通した音 | 生音同様、音に柔らかさが加わる。絶対に混ぜて使いたいと思わせる出来! |
まとめ
今回提供いただいたセットもどれも素晴らしく甲乙つけがたい出来でした。
まずこれらのスプリングの素晴らしいところは、音がブライトになり、かつ音に深みが出る点です。
これは汎用のスプリングでは決して得られない音で、スプリングの材質によるものなのか、技術によるものなのか、また既存のものは経年劣化により平坦な音になってしまうのか、素人にはわかりませんが、これらのスプリングを使うことで確実にストラトキャスターの音質をアップさせることが出来ます。

トレモロスプリングはギターとの相性があり、また、フローティングの有無やバネの本数や掛け方によってもサウンドは変わってくるので、簡単に良い悪いの評価を下すことはできませんが、今回試した中では。
SP10-honest、SP11-unsung 、SP12-fragile
の3つのトレモロスプリングが最もバランスが良く、音質が特に良かったです。
また、補助スプリング ASP01-moonのサウンドが素晴らしく、音か硬いかな?というときに、1本もしくは2本入れてあげることで、音が柔らかく、艷やかになるので、これは素晴らしいアテムだと思いました(これは需要あると思います)。


今回も、とりあえずのレビューとして公開させていただきましたが、引き続き色々なパターンを組み合わせたものをテストし、適宜更新できればと思っています。

最後に、またまたトレモロスプリングをテストする機会をいただき某スプリングメーカーのI氏には感謝いたします。本当にスプリングは奥が深いですね。
今回は前回よりもギターの本数を増やしてのテストだったので、かなり時間がかかりましたが、共通して音が良かったのは SP10-honest、SP11-unsung、SP12-fragileの3つでした。
今回レビューさせていただいたトレモロスプリングは、開発中の製品ということで、社名等の情報は控えさせていただきますが、SNS「X」では個人アカウントとして発信されていますので、興味のある方はフォローしてみて下さい。
D_d3-8(@coil_crafter)さんの X アカウントはこちらから。
第1弾はギター改造ネット様にてご紹介いただきました✨🙏 https://t.co/9oZ3hXZ6sq
— D/d3-8 (@coil_crafter) September 30, 2025
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